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イラクで理不尽な形で消えていったすべての命に、この本を捧げます。――2004年4月7日、現地時間の午前11時頃、私はイラク北西部ファルージャ近郊で武装グループに拉致された。通算4回目のイラク入りで起きた、悪夢のような出来事だった。拘束の日々と再生への途。
●突然、体が仰向けに引き倒された。喉元に硬い物が押しつけられる。ゴクンと生唾を飲んだ。ナイフ? 少しでも動いたら、喉を切り裂かれる……そう思った。「ノー コイズミ」の大合唱が始まり、私も「ノー コイズミ」と叫ぶ。耳元で金属の触れ合う音がする。恐怖にかられ、「ノー コイズミ」と繰り返す。ふいに喉元の圧迫感が消えたが、誰も助け起こしてはくれない。――<「第1章 拘束の9日間」より>
Posted by ブクログ 2014年09月05日
「イラク人質3人」の著作を読んだ中の最後。3人の中で一番現地に詳しく、イラク人とコミュニケーションを取れた人物だったが、当時のマスコミからは執拗なバッシングを受けた。
3人とも人質となっている間の描写はほぼ似通っており、3人ともが誇張をせずにそれぞれの視点で目の前の出来事に驚き、絶望し、希望を捨て...続きを読む
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