作品一覧

  • 数理の窓から世界を読みとく 素数・AI・生物・宇宙をつなぐ
    5.0
    1巻946円 (税込)
    AI(人工知能),生物の進化,宇宙に存在する暗黒物質--これらまったく異なる研究分野を,同じ窓から読み解く方法があります.数学を共通言語にさまざまな事象を理論的に解明する方法,数理です.数理の窓から見えるそれぞれの世界を,自らの進路選択や研究の魅力を交えながら,若手研究者たちが瑞々しい感性で紹介します.

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  • 「役に立たない」研究の未来
    4.0
    ほんとうのイノベーションは、ゆっくりと、予想外に始まる。 ■内容 いつの時代も、研究者は未知に挑み、人類の発展に貢献してきた。誰も解明していない謎を追う人。社会課題の解決に努める人。いつ、何の役に立つかがわからなくても、未来へより多くのものを託そうとする人。彼らの人生をかけた挑戦の積み重ねの先に、今の私たちの生活がある。そして、その原点にはいつだって飽くなき知的好奇心があった。 しかし、日本では現在、運営費交付金の減少や科学技術関係予算の過度な「選択と集中」などが原因で、研究者が知的好奇心をもとにした基礎研究を行いづらい状況にある。それゆえ、イノベーションの芽を育てるための土壌が崩れつつある。 令和の時代において、研究者たちはどのように基礎研究を継続していくことができるのだろうか? 社会はどのようにその活動を支えられるだろうか? そもそも、私たちはなぜそれを支えなければならないのだろうか? 本書は、各分野の一線で活躍する3名の研究者が、『「役に立たない」科学が役に立つ』をテーマにした議論を中心に、書下ろしを加えたうえでまとめたものである。これからの「科学」と「学び」を考えるために、理系も文系も、子どもも大人も、必読の一冊! ■目次 はじめに 科学とお金と、私たちのこれから(柴藤) 第一部 「役に立つ」ってなんだ?――プレゼンテーション編  一 「役に立たない」科学が役に立つ(初田)  二 すべては好奇心から始まる――“ごみ溜め”から生まれたノーベル賞(大隅)  三 科学はいつから「役に立つ/立たない」を語り出したのか(隠岐) 第二部 これからの基礎研究の話をしよう――ディスカッション編  一 「選択と集中」は何をもたらしたのか  二 研究者にとって「アウトリーチ活動」とは何か  三 好奇心を殺さないための「これからの基礎研究」 第三部 科学と社会の幸福な未来のために――対話を終えて  一 科学と技術が、幸福な「共進化」をとげるための実践(初田)  二 個人を投資の対象にしない、人間的な科学のために(大隅)  三 人文社会科学は「役に立つ」ほど危うくなる(隠岐) 謝辞 「役に立たない」研究の未来(柴藤) ■装画 カシワイ

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  • 数理の窓から世界を読みとく 素数・AI・生物・宇宙をつなぐ

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    岩波ジュニア新書なので中高生くらいが主ターゲットなのだろうか。素数、AI、数理生物、ダークマターなどの興味深い話題が非常にわかりやすく書かれていた。

    特に素数のところの数論幾何の解説はとてもわかりやすくてよかった。数論幾何がなぜすごいのかというと、グロタンディークがスキームというものを生み出すことで、整数論の問題を空間の問題へと変換し、幾何学の分野で蓄積されていた膨大な研究成果(コホモロジーなど)を整数論の分野に適用可能としたから、とのことで、数論幾何やスキームへの興味を喚起する。解説は理化学研究所で数論幾何を研究する宮崎さん。

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    2024年11月23日
  • 「役に立たない」研究の未来

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     「研究」に対して、役に立つ・立たない、といった場合、その話している人の頭の中がそれぞれ違うので、話自体が噛み合っていないことも多い。そんな中で、異なる分野の研究者、ここでは数理学、生物学(ノーベル賞の大隅先生!)、人文学の3名の研究者が講演後、座談会形式で課題と具体的な取り組みを話し合っている本。
     ナビゲーターは、研究者を応援するクラウドファンディングを経営しているとのこと。基礎研究は、選択と集中と相性が悪く、説明責任を果たす上でも相性が悪い。一方で、説明責任自体は、果たすべきだが、何を説明すべきか、まったく関心がない人にどのように説明するかの工夫や方向性をしっかり議論すべきというのは、と

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    2021年10月17日
  • 「役に立たない」研究の未来

    Posted by ブクログ

    人を動かす原動力はいろいろあると思うんですけど、研究については、「好奇心」とか「探求心・探究心」とか「興味・関心」であることが望ましいのだと思います。
    ただ、世界的に、また、とくに日本では、それらを支えられるだけの土壌や理解、文化が乏しくなってきているように思いますし、その状態を危惧しているのが、本書の関係者だと思います。

    一方で、その危惧を払拭するための動きがあるのも事実。
    たとえば、この本においてナビゲーターを務めている柴藤氏は、そのような動きを支えている人の一人。

    自分もいつかは、柴藤氏のような活動をしたいな、と思っていますので、そこに向けて、いろいろと作戦を考えていきたいと思います

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    2021年06月18日
  • 「役に立たない」研究の未来

    Posted by ブクログ

    3人の異なる分野の研究者が、それぞれ微妙に異なる立場から「役に立たない」研究について論じている。
    3人それぞれの講演等の中から印象に残ったことを書き記しておく。

    まず、理論物理学者の初田さんは、基礎科学の重要性を一般社会や政府に対して理解してもらうためには、科学者自身のアウトリーチ活動をより多様に、効果的に展開していくべきだと主張している。ADKと組んだ独自のアウトリーチの取組み(クリエイターと協力してプロトタイプを作っていくというもの)も紹介していて、興味深い。

    次に、分子細胞生物学者の大隅さんは、自身が、当初全く引用されない分野だったオートファジーの研究を続けてきた経験から、安易に「役

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    2021年05月03日
  • 「役に立たない」研究の未来

    Posted by ブクログ

    初田さんが指摘していた、知識は唯一、使えば使うほど価値が増える、という点は興味深い。誰でもわかる役に立つものは陳腐化も早いのかもしれず、日本が成熟国になる過程ではとるべき選択肢ではないのだろう。知で立国するのが有力であり、この本で議論されていることが議論の端緒になりそう。
    学問・科学の政治との距離の取り方、大衆社会での基礎研究の支持の集め方とアウトリーチの難しさなども浮かび上がってきた。

    こうした領域横断的な知の交流は読んでいて楽しい。かつアカデミストの活動はうまくいってほしい。読後に調べてみると、発見を生み出す科学を支える自律分散的な取り組みとして近年はDeSciという取り組みもあるようで

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    2023年02月26日

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