「農学」という、いまいち何をしているのかイメージの湧かない学問の全体像を解説してくれる新書。
「小さな大学」と形容されるほど幅の広い農学の輪郭を、①農業経済、②食糧科学、③生命科学、④環境科学の4つの側面から描き出す。
各章では、著者の研究の紹介も交えながら農学の各分野の方法論や問題意識が紹介さ
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具体的な研究内容については、特に生命科学あたりは文系の私にはやや難しかったものの、生物選択の理系高校生ならそれほど苦労なく読めそうな感じ。そして理論自体を理解できなくとも、各分野の農学の研究者が何を考え、何を目的とした研究をしているのかというイメージを形成するには充分な知見が得られたと思う。
これ1冊で農学が大まかにわかる、というのは流石に言い過ぎだろうが、例えば農学に興味のある高校生が1冊目に手に取る本としては間違いなく最適解。
こういう1冊目の本が用意されているだけで、農学徒は恵まれているなと思います。