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  • 世界は救えないけど豚の角煮は作れる
    4.4
    1巻1,320円 (税込)
    YouTubeで文学的世界観を作り出している、にゃんたこの初エッセイ! にゃんたこワールド全開の日常と哲学がここに凝縮。短編ストーリー「沈む熊」、「いつくしみをたたえて」も収録。 【本文より】 生活の中に、青春を懐かしむ余白をもつ人間のことを大人と呼ぶのだとすれば、私の心はずいぶん前からすっかり大人になってしまっている。年齢を重ねただけの子供を大人と呼ぶことができるのか? というモラトリアム的な問題はさておき、とにかく最近、青春時代のあれこれを思い出すことが多い。けれど、「大人である」私が、たとえば高校生の私を懐かしく思うのと同じように、高校生の私もまた、「大人である」私にひどく恋い焦がれていた。 高校一年生の夏休みに、生まれて初めて髪の毛をブリーチした。ブリーチ剤を頭に塗りたくられて、ラップをぐるぐると巻かれる。60ワットの照明器具然としたドーナツ状の謎の物体が頭の周りをぐるぐると回る。頭皮が燃えるように熱くなり、その熱さが次第に痛みへと変わっていく。昨晩食べた八匹の子持ちししゃものことを思い出す。コンロの中ってこんな感じだろうか。 一時間の耐久の末、憧れのブロンドヘアを手に入れた私は、顔にも年齢にも不釣り合いな濃いメイクに違和感を覚えないほどには浮かれきっていた。大人の女はブロンドヘアが似合う、という類稀なる偏見と理想。そこに若さゆえの超主観的な実行力が加わって、悲しみのブロンドティーンが誕生してしまった。(続く)

ユーザーレビュー

  • 世界は救えないけど豚の角煮は作れる

    Posted by ブクログ

    絶対にもう一度読み返したい。自分の中のバイブルになるような、大切な人にオススメしたくなるようなそんな1冊だった。
    気取らない文章でとても読みやすく、クスッと笑える場面も沢山あってあっという間に読み終わってしまった。
    自分も心の隅で思っていても言語化できていない感情や思いも綺麗に言語化されていて、とてもいい本に出逢えたと思った。自分が自分らしく生きていくことをもっともっと意識して生きていこうと思う。

    0
    2025年03月18日
  • 世界は救えないけど豚の角煮は作れる

    Posted by ブクログ

    この感性が、自分と似ていると思う人は多々いるんじゃないだろうか。
    汚い想いや、言葉の取捨選択や、くだらない行動。
    全ては自分自身から生まれてくるものである。
    そこに意味はない。
    そこから意味は後付けされて、形成されていく。
    凄く、心地よかった。
    ひとつの物事を、丁寧に優しく、ぐちゃぐちゃになるくらい憂慮すると、こんな言葉が紡ぎ出されるのかな。
    全世界で、、ここに刺さる人が1人いる。

    0
    2023年06月04日
  • 世界は救えないけど豚の角煮は作れる

    Posted by ブクログ

    泣きました!元気もらいました!
    コンプレックスだったりネガいことだったり、いろいろあるけど、友達の言葉に助けられたにゃんたこさんに助けられました!

    0
    2022年09月27日
  • 世界は救えないけど豚の角煮は作れる

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ピアスで切れた耳がかわいいといってもらえた話。おっきい画面で見るジョーカーがかっこいい話。熊が出ていなくなった愛想なしのバイト同僚のはなし。
    Youtube見てみよう。

    0
    2022年05月23日
  • 世界は救えないけど豚の角煮は作れる

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    エッセイ。
    いつどこでチェックしたか忘れたけど自分の携帯の「いつか読んでみたいリスト」に入っていて読んでみた。

    半分くらいまで読んで、著者がどんな人か気になって検索した。
    お酒好きでお掃除苦手で手持ちのお金は少ないとかのエピソードがあり、
    町田康を想像した後に、女性なのでお笑い芸人納言の薄幸っぽいイメージをしていたらあまりにも違って笑った。
    子どもの頃、ダンゴムシをポケットに沢山入れる人には見えない。
    YouTuberらしい。

    就学前に大人になったら何になりたいかという質問に「おふ」(麩)と回答されている。
    読んでる本とか音楽とか映画とかの記述多い。
    『二十歳の原点』なんかもあって。

    0
    2022年05月09日

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