世界は救えないけど豚の角煮は作れる

世界は救えないけど豚の角煮は作れる

1,320円 (税込)

6pt

YouTubeで文学的世界観を作り出している、にゃんたこの初エッセイ!
にゃんたこワールド全開の日常と哲学がここに凝縮。短編ストーリー「沈む熊」、「いつくしみをたたえて」も収録。

【本文より】
生活の中に、青春を懐かしむ余白をもつ人間のことを大人と呼ぶのだとすれば、私の心はずいぶん前からすっかり大人になってしまっている。年齢を重ねただけの子供を大人と呼ぶことができるのか? というモラトリアム的な問題はさておき、とにかく最近、青春時代のあれこれを思い出すことが多い。けれど、「大人である」私が、たとえば高校生の私を懐かしく思うのと同じように、高校生の私もまた、「大人である」私にひどく恋い焦がれていた。
高校一年生の夏休みに、生まれて初めて髪の毛をブリーチした。ブリーチ剤を頭に塗りたくられて、ラップをぐるぐると巻かれる。60ワットの照明器具然としたドーナツ状の謎の物体が頭の周りをぐるぐると回る。頭皮が燃えるように熱くなり、その熱さが次第に痛みへと変わっていく。昨晩食べた八匹の子持ちししゃものことを思い出す。コンロの中ってこんな感じだろうか。
一時間の耐久の末、憧れのブロンドヘアを手に入れた私は、顔にも年齢にも不釣り合いな濃いメイクに違和感を覚えないほどには浮かれきっていた。大人の女はブロンドヘアが似合う、という類稀なる偏見と理想。そこに若さゆえの超主観的な実行力が加わって、悲しみのブロンドティーンが誕生してしまった。(続く)

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世界は救えないけど豚の角煮は作れる のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年06月04日

    この感性が、自分と似ていると思う人は多々いるんじゃないだろうか。
    汚い想いや、言葉の取捨選択や、くだらない行動。
    全ては自分自身から生まれてくるものである。
    そこに意味はない。
    そこから意味は後付けされて、形成されていく。
    凄く、心地よかった。
    ひとつの物事を、丁寧に優しく、ぐちゃぐちゃになるくらい...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年05月09日

    本書は、著者のにゃんたこさんの日常や頭の中を、動画を見ているような感じで読めるのがおもしろい。

    他人の日常生活を垣間見て、まるで自分がそれを経験しているかのように感じたり、自分の日常と重ねてみたりするのが好きだし、決していいことばかりじゃないけれど、それがまたリアルでいい。

    本書にはエッセイの他...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年09月27日

    泣きました!元気もらいました!
    コンプレックスだったりネガいことだったり、いろいろあるけど、友達の言葉に助けられたにゃんたこさんに助けられました!

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    Posted by ブクログ 2022年04月11日

    最近ヘビー級な重い本ばかり読んでいて、本を読むことすらしんどくなり始めていたら後輩がゆるゆるっと読めるのでオススメですよ!と言って貸してくれた。
    にゃんたこさんはYouTuberと言う事みたいだけど、
    正直自分は1度も見たことも聞いたこともなかったので、なんの先入観もなくただのエッセイとして読み始め...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年08月16日

    話が纏まっていて読みやすい
    それぞれの話に教訓めいたものがあって読んでいて考えさせられる
    人生は考え方次第だと思わせてくれた神本です

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    Posted by ブクログ 2021年05月24日

    僕は高校生の頃から彼女のファンだ。
    側から見ると指を切りそうな手つきで包丁を使い、酒を溺れるほど呑んだりする動画を背景に文学的な表現で綴られる字幕のギャップで酔いそうになる動画の虜になった。
    そんな人のエッセイが出たなら買う。
    幸福のハードルを下げて、バカみたいにずっと笑っていたい。

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    Posted by ブクログ 2021年04月17日

    もうすぐで20年生きたことになる女が初めてよんだエッセイ本。

    にゃんたこという女が今までの30年で感じたこと、考えたことが詰まってた。

    人の考え方をしれるのはとても面白いときづいたのでこれからはエッセイ本も読んでみよう❕

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    Posted by ブクログ 2021年01月27日

    この人の文章は本当に生温かさがある。スタイルはYouTubeのテロップから変わって無いけども、もっと温かみが増した気がする。
    自分が目を背けてきた部分を優しく一緒に包み込んでくれる感じが良いし、この感想もなんか気持ち悪い。
    「未来は今の地続きである」「コンプレックスとピカチュウのしっぽ」お気に入りで...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年01月27日

    にゃんたこの価値観や考え方がとても好きでこれまでYouTubeの動画や配信、SNSなどのある種断片的な形でしかそれを受信することが出来なかったが、今回エッセイという1つの書籍としてまとまった形でいつでも読めることを嬉しく思う。
    1つ1つの話が著者の体験に基づくリアルなものであると同時に彼女の思考が確...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年01月24日

    初のエッセイ本。にゃんたこさんが出してなかったらエッセイ本というものを手に取ってなかった気がする。著者の昔の記憶や考え方とかを気軽に知れる。
    エッセイ本ってこんなに面白いんだって思った。
    さっと読んだだけだから細かい表現とかは覚えてないけど(後で読み返す)「ブラジルの小さな公園に咲くたんぽぽ」と「Y...続きを読む

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