小倉美惠子の作品一覧

「小倉美惠子」の「諏訪式。」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 諏訪式。
    3.6
    神秘と技術と才能が生まれる場所、諏訪。 ——多くの仕事や人が、どうしてこの地から生まれたのか?   長野県の諏訪は、諏訪湖を中心に八ヶ岳や霧ヶ峰も含む広大な地域。 諏訪湖は中央構造線とフォッサマグナが交わるところ。 まわりには縄文の時代から人が暮らし、諏訪信仰がいまも息づく。 江戸時代の繰越汐による新田開発、近代に入ると片倉製糸が栄華を極め、その後、東洋のスイスと言われるほど、精密機械の会社が数多く興った。 セイコーエプソン、ハリウッド化粧品、ヨドバシカメラ、すかいらーく、ポテトチップスの湖池屋、岩波茂雄、島木赤彦、新田次郎、武井武雄、伊東豊雄…… 。 多くの仕事や人は、どのように生まれたのだろうか。 ただならぬ場所、諏訪の地力を、丹念な取材で掘り起こす歴史ノンフィクション。 【目次】 第一章 シルクエンペラーと東洋のスイス——近代ものづくり編 第二章 ゴタたちが編んだ出版ネットワーク——近代人づくり編 第三章 〝空〟なる諏訪湖の求心力——土地となりわい編 第四章 人と風土が織りなす地平——科学と風土編

ユーザーレビュー

  • 諏訪式。

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    著者の諏訪推しが強すぎてちょっと偏った印象を受けるけれども、自分が長野にもルーツの一部を持っているからなのか、共感できるいいこといっぱい書いてある。背負って運べる軽くて小さなモノづくり、なるほど。

    また、しばしば著者の生まれ育った宮前区土橋との比較が取り上げられるのだが、著者と世代が近く同様に多摩丘陵が切り拓かれた住宅地で育った自分には著者が見た風景や感じることがすごくよくわかる。
    丘の斜面には地方から出てきた教育熱心なサラリーマン家庭の住宅が行儀よく並んでいたが、まだむき出しの造成地もあって、低地には沼がありかやぶき屋根の農家もいくつか残っていた。新住民の子は夏休みはみんな「田舎」に行き、

    0
    2022年07月20日
  • 諏訪式。

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    新作映画のロケで諏訪を訪れた著者が、諏訪に何か恩返しをしたいという思いでまとめたのが本書である。著者を魅了する諏訪とはどのような土地なのか、何がそこまで著者を惹きつけるのか。諏訪の企業や人、風土について諏訪への愛情あふれる筆致で描き出している。

    「土地にしっかりと根をはり、自らのバックボーンを力として生きている人びと」を著者は「軸足のある人」と呼ぶ。諏訪人は著者のいう「軸足のある人」なのである。軸足のある人によるものづくりは風土に馴染む。「諏訪にあるもの」を主軸に据えているので、諏訪の企業や産業には「ものづくりのDNA」が受け継がれている。その一方で気候環境の厳しい諏訪では、人びとが「自分で

    0
    2021年04月28日
  • 諏訪式。

    Posted by ブクログ

    著者が9年かけて書き上げた諏訪の記録。著者自身「とりまとめたに過ぎない」と述べているが、膨大な資料や取材の記録をここまでコンパクトかつ魅力的にまとめてくれたことに感謝。諏訪に端を発する著名な企業、輩出された魅力的な人々、諏訪大社、御柱祭、御神渡りなどの文化、ミシャグジ神に関する信仰、など諏訪の歴史と魅力が紹介されている。
    その魅力の元は軸足を失わない人と風土の関わり方にあるのだろう。諏訪には自ら考え、動き、挑戦できる人が生まれ、集まるようだ。本書を読んだ新たな視点で諏訪を再訪してみよう。

    0
    2021年02月08日
  • 諏訪式。

    Posted by ブクログ

    諏訪湖を中心に八ヶ岳や霧ヶ峰を含む広大な地域は縄文時代から多くの人の交流があり、現在も独自の産業、多くの偉人を輩出している。そんな諏訪の魅力を語る作品。

    新田次郎は知っていたが岩波書店の創設者岩波茂雄も諏訪出身。諏訪信仰から生糸生産、精密機器制作。諏訪の歴史を十二分に紹介した歴史ノンフィクション。

    筆者は作家で映画プロデューサー。諏訪を舞台にしたドキュメンタリー映画を制作している。諏訪出身でないのに諏訪の魅力に取り憑かれるところが面白い。

    0
    2021年02月01日
  • 諏訪式。

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    <目次>
    第1章  シルクエンペラーと東洋のスイス~近代ものづくり編
    第2章  ゴタたちが編んだ出版ネットワーク~近代人づくり編
    第3章  ”空”なる諏訪湖の求心力~土地となりわい編
    第4章  人と風土が織りなす地平~科学と風土編

    <内容>>
    確かに三協精機もセイコーエプソンも諏訪湖周辺にある。岩波文庫のルーツも筑摩書房(これは名前が入っている)も信濃にルーツだ。その原因とかを人とかのネットワークや地質、地政学的に位置づけで確認していく。こうした本は面白いんだよね。そしてそこに行きたくなる。

    0
    2022年07月08日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!