高木超の作品一覧
「高木超」の「SDGs×自治体 実践ガイドブック 現場で活かせる知識と手法」「14歳からのSDGs――あなたが創る未来の地球」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
SDGs達成に向けた取り組みの推進を考えている自治体関係者にお勧めです。
SDGs基礎知識として必要なことや自治体が取り組むべき理由、具体的な目標設定や施策に結び付ける方法などが、事例とともに、分かりやすく解説されています。
ゲームの紹介からワークショップの具体的な方法、システム思考、バックキャスティング、ロジック・モデルの考え方も詳しく書かれています。
国際目標なら中央政府の仕事だろうと見誤ってはならない。
(中略)
とはいえ、SDGsに取り組むということは、多くの場合で、これまで維持してきた既存の社会構造を変革する必要が生じ、少なからず困難を伴う 。「国連が定めた目標だから」「政府がSDGsを推進しているから」といった消極的なものではない、SDGsに自治体が取り組むべき理由。それは、SDGsを活用することで、これまで自治体が抱えていた課題を顕在化させ、その解決に向けて、時流を捉えた新たな視座を与えてくれることが挙げられる。 ー 24ページ
このムーンショット型アプローチの効果について、ソニーコンピュータ ンス研究所 社長・所長である北野宏明氏は、「(ムーンショット型アプローチの)本当の目標は、定めた目標に行きつく過程で、様々な技術が生まれ、その技術が世の中に還元され、そして世の中が変わることなのです。これがMoonshot型のアプローチにある、もう1つの大きな効果です。」と語っている。10年後には、現在の技術水準や価値観といった土台が大きく変革しているかもしれない。土台が変われば、達成できる目標の数も一気に増える可能性がある。 ー 77ページ
Posted by ブクログ
「どうやって直すのかわからないものを、壊し続けるのはもうやめてください」
セヴァン・スズキ(当時12歳) 環境と開発のための国連会議(地球サミット)にて(リオ・デ・ジャネイロ,1992年)
(引用)まちの未来を描く! 自治体のSDGs、著者:高木超、発行所:学陽書房、2020年、45
2015年9月にニューヨーク国連本部で採択された持続可能な開発目標(SDGs)は、「誰一人取り残さない」ことを目的とし、17のゴール、169のターゲット、232の指標で構成されている。この17のゴールを眺めてみると、例えば「貧困をなくそう」や「飢餓をゼロに」といった、一見、我が国に関係のないような目標も含まれているかと思う。しかし、昨今、SDGsを意識した各自治体の取り組みが多いと聞く。なぜ、いまSDGsなのか。SDGsの視点を踏まえた自治体政策のあり方について学ぶべく、高木氏の著書「まちの未来を描く! 自治体のSDGs」を読ませていただいた。
本書の冒頭からSDGsの17のゴール、例えば「貧困をなくそう(ゴール1)」から順に、ゴールごとに「SDGs(世界レベル)」と「自治体レベル」と区分されて解説がなされている。この解説では、発展途上国しか関係なさそうであったSDGsのゴールが、私達の身近な問題として(自治体レベルで)捉えることができるようになる。まず、「貧困をなくそう」では、自治体レベルの課題として「見えづらい子どもたちの貧困問題」が取り上げられている。我が国においても、2015年時点で13.9%の子どもたちが貧困状態に置かれているという(本書、3)。国による就学援助制度も存在するが、その制度のみで子どもの貧困対策になるのだろうか。学びたくても学べない子どもたちが、まだまだ我が国にもいる。高校、大学へ進学したくても行けない子どもたちがいる。特にいま、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう。独立行政法人日本学生支援機構では、「新型コロナウイルス感染症に係る影響を受けて家計が急変した方への支援」を実施していると聞く。SDGsの最初のゴールである「貧困をなくそう」から、各自治体でも身近な取り組みとして捉えていかなければならないと感じた。
本書では、「インターリンケージ」というSDGsのキーワードが出てくる。インターリンケージとは、複数のモノ・コト・が相互につながっていることを表している(本書、52)。このインターリンケージというキーワードは、今後、各自治体の縦割り組織を打破し、多様化する諸課題を解決に導くものではないかと感じた。本書でもSDGsのもう一つのキーワードで、「経済」「社会」「環境」の三側面があるとしている。なにかモノを作り、環境に配慮(例えばリサイクルしやすいように)し、新たな雇用を生み出し、そこに住む人達のためになる。このインターリンケージという言葉は、我が国においても近江商人が経営哲学として重んじてきた「三方良し(売り手良し、買い手良し、社会良し)」と通づるところがあると思った。各自治体は、SDGsのゴールを見つめ直し、「経済」「社会」そして「環境」という側面を意識し、横串を通した連携を図り、どうインターリンケージできるかを考えてみることも必要であろうと感じた。それが牽いては、持続可能な社会を創造することに繋がる。このことは、本書の後半で紹介されている各自治体の事例においても確認することができる。
SDGsの目標は、なにも発展途上国のものだけではない。高木氏の本を拝読し、我が国、そして我が地域に置き換えて見ることで、真に必要な課題が浮かび上がってくる。その課題は、何も特別なものではなく、しかしながら非常に整理されていて、「持続可能な社会」を創造していくのに必要なものばかりだ。グローバルでマクロなSDGsの観点から、ミクロ的視点を用いて各自治体の課題を洗い出し、どうつなげて政策を展開していくのかという手法は、大いに有効なものであると感じるに至った。
冒頭、セヴァン・スズキさんの言葉を引用した。WWF(世界自然保護基金)の報告では、世界中の人達が同じ生活を続けていくと、今後、地球1.7個分の資源が必要になる(本書、61)という。20世紀型の大量生産・大量消費という時代は終焉した。これからは、各自治体からもっと視野を広げ、世界的な視点で見つめ直し、それぞれが持続可能な社会、持続可能な世界を構築しなければならないと感じた。そして、これからを生きるセヴァンさんのような若い方たちに、地球を、そして私たちのまちや暮らしを引き継いでいかなければならないと感じた。
本書の後半では、各自治体のSDGsの取組事例が掲載されている。埼玉県北本市では、シティプロモーションの「mGAP」という指標も紹介されている。この「mGAP」に触れ、私は「シティプロモーション2.0」を著された河井孝仁氏の教えを実践されているのだなと感じた。そして、シティプロモーションの取り組みのなかでも、SDGsを意識することが大切なんだと思い、大変興味深く読まさせていただいた。また、北本市のホームページから、本書でも紹介されていたシティプロモーション雑誌「&green(アンドグリーン)」も見させていただいた。アンドグリーンでは、森や緑、自然そして安全安心に至るまで、SDGsを意識した内容になっていた。
このたび、高木氏の本を拝読させていただき、自治体職員はそれぞれがSDGsを意識し、普段行っている仕事にSDGsの視点を取り入れていくことから始めていくべきだと思うに至った。