作品一覧

  • サマータイム・アイスバーグ
    4.3
    1巻803円 (税込)
    その恋心だけは、あの夏で凍ったままーー。 真夏に突如現れた巨大な氷山が騒動になる中、三浦半島にある高校に通う進たちは、鬱屈とした夏休みを送っていた。 かつては仲の良いグループだった進と羽と一輝だが、一年前のある事故が原因で、今はぎこちない関係が続いている。 幼馴染を一時的に失い、無力感に苛まれる進。 外見は美人で男子からも人気があるが、弱く、ずるく、そしてそれを人のせいにしてしまう自分が好きになれない羽。 秀才で文武両道の優等生だが、自身ではどうすることもできない悩みを抱える一輝。 ある夜、氷山の現れた海岸で進は一人の少女と出会う。身元の分からない謎の少女は、一年前の事故以来、昏睡から醒めない進の幼馴染とそっくりで……。 少女の正体が分からないまま、「楽しい夏を過ごしたい」という少女の希望を叶えるため、進たちは奔走することに。 しかし、氷山出現の秘密が明らかになるにつれ、進たちの手には負えない大きな力が少女に迫る。 少女を元いたところに帰すためーー。 それぞれの淡い恋心や悩みを抱えたまま、進たちは氷山を目指す。 第16回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞。 煌めく夏の青春の輝きを閉じこめた、宝石のような物語! ※「ガ報」付き! ※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
  • 沈没船で眠りたい
    4.0
    加速度的に発展するAIによって、人間の就く職が減少することを憂いた人々が機械の打ち壊し運動を起こす最中、首謀者と関わりを持つ一人の女子学生が機械を抱いて海に飛び込んだ。彼女はなぜ、機械と心中まがいの行動に至ったのか――? 絶えず変化していく世界を、その中に生きる人間を、変わらずに愛することが出来るかを問う、慟哭のシスターフッドSF!
  • 部屋には葦が生えている
    3.5
    1巻2,090円 (税込)
    気づかぬうちに犯罪の片棒を担ぐことになってしまった「私」は、共に逃亡することになった手塚という男と話すうち、幼少の頃、解けないはずの謎を解いてしまったことを思い出す。それはノストラダムスの大予言に世間が騒然としていた1998年の思い出。ひと夏立ち寄った海沿いの町で、かつて「ぼく」だった「私」はかけがえのない友人と出会い、償うことの出来ない過ちを犯した。「私」は過去と向き合うため、記憶が眠るその町に向かうことになる。人間として思考し続けることの尊さを突き付ける、ジュブナイル×暗号ミステリ!
  • グッバイ、マスターピース
    3.0
    1巻715円 (税込)
    かつて志した漫画家になるという夢を諦め、ありふれた高校生活を送る紅藤凪斗。ある日、彼の夢をひとり信じ続けていた幼馴染・二藍波が病に倒れ、世間から隔絶された生活を送ることになる。さらに時を同じくして、波が長年愛してきた漫画が作者の不祥事のため未完のまま打ち切られてしまう。日に日に病状が悪化する波に希望を与えるため、凪斗は打ち切りの事実を隠しつつ作品の続きを描き、「傑作」のまま彼女に届けることを決意する。友情、恋心、夢への憧憬……青春のすべてが煌めく感動作!
  • 歌はそこに遺された
    -
    1巻2,310円 (税込)
    『答えのない時代に、創る意味を問う。その 覚悟に心から敬意を』  ――池澤春菜(声優・作家) 『ネットとAIで「本物」と「正しさ」を見 失った世界を撃ち抜く1冊!』  ――宇田川拓也(ときわ書房本店) 彼女は死後、 世界一の歌姫になった。 今世紀最もエモい、 近未来法廷ミステリーの誕生! 「私と一緒に、ストーリーを作ろう。君が歌う からこそ意味がある理由を作ろう」  新進女性シンガー、荒井海鈴が殺された。彼 女の遺作『人魚』は、死をきっかけに大ヒット する。生成AIの楽曲が隆盛の時代に、生身の 人間の作った曲がここまでバズるのは異例だっ た。「あれを作ったのは、AI」と嘯く、海鈴 殺害の容疑者・備藤龍彦の言動に違和感を覚え た東京地検公判検事の堂崎千也は、独自調査の 一環で、彼女が所属していた事務所を訪ねる。 社長の椎名栄弥は、一般的な芸能事務所の顔と は別に、レッスン提供を主体とした怪しげなビ ジネスに手を染めているようだった……。 『沈没船で眠りたい』で読書界を唸らせた気鋭 が贈る、今世紀最もエモーショナルな、近未来 法廷ミステリーの誕生! 目 次 序 章 歌姫 第一章 人魚 第二章 潜行 第三章 漸深 第四章 深海 第五章 海底 第六章 発信源 【参考資料】 cover illustration/鈴木康士 cover design/岩郷重力+WONDER WORKZ。
  • 十五光年より遠くない
    -
    1巻946円 (税込)
    文明が停止した夜。二人だけの任務が始まる。 2025年。 人類観測史上最大規模の太陽フレアが発生、突然の磁気嵐が地球を襲った。 その影響で起こった大規模停電により、日本は通信、インフラがストップする異常事態に陥る。 その日、東京・渋谷で偶然初恋の女性・水星と再会した元自衛官の陸は、水星の妹・金星から大規模停電の理由と、「ある事実」を知らされる。 文明が停止し、パニックに陥る東京ーーそんな状況下で、かつての想い人の命と、東京に危機が迫っていた。 自身の姉の命の為にもじっとはしていられない金星と、自らできることは何があるのか迷う陸。 情報、交通手段、手助けなし。 出会ったばかりの金星と陸、たった二人の任務が始まった。 ※「ガ報」付き! ※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
  • 町泥棒のエゴイズム
    値引きあり
    -
    1巻99円 (税込)
    高度経済成長の波に乗り発展を遂げ、今ではオシャレな町としても人気が高い川崎。この町の秘密を知り、鍵を握る男は、多くの人に愛されていた。そんな彼の残したひとつの「後悔」。それを晴らすために、恩を返すべくそれぞれが動き出す。そして、全員のやさしさがつながった時、音楽とともに奇跡の夜が幕を開ける。
  • 月曜日が、死んだ。
    値引きあり
    -
    1巻110円 (税込)
    目覚しのアラームが鳴り、スマホの画面を確認した。そこに表示されていたのは「火曜日」の文字。おかしい、今日は月曜日のはず!! 飛び起きたナカガキがカレンダーを見ると、あるべきはずの曜日が消えていた。薄れていく月曜日の記憶、おかしな宗教団体、そして元カノの存在。死んでしまった月曜日の悲しみに気づき、元の世界を取り戻せるのか。第3回文芸社文庫NEO小説大賞大賞受賞作。

ユーザーレビュー

  • 沈没船で眠りたい

    Posted by ブクログ

    最近のAIを扱った小説の中では出色の出来。主題の重さの表現手法が素晴らしすぎる。巻末の一文がダメ押し。

    0
    2023年12月31日
  • サマータイム・アイスバーグ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     不意に現れた氷山。波打ち際で倒れる幼馴染によく似た少女。高校二年生の進に訪れる人生を左右する夏。二度と戻ってこない夏。
     とても難しくて、素晴らしい物語でした。色々な闇や、多種多様の悩みを抱えた少年少女たちが、懸命に抗う様が素敵でした。近未来の日本を舞台にしたSF×青春小説。オリジナリティ溢れるストリートラインは目を見張るものがあります。それぞれの人間関係を把握したり、謎を整理したりするのが大変で、一回読んだだけですとちょっと把握し辛い作品のように感じました。全体が分かってからもう一回読んでみると納得できたり、なるほどって頷けたりしそうな部分が多い気がしますね。

    0
    2022年10月09日
  • サマータイム・アイスバーグ

    Posted by ブクログ

    一人の少女を中心に巻き起こる、一度しかやってこない夏休みのお話。家庭だったり、恋愛関係だったり、多感な時期に湧き起こる感情っていうのは、すごく複雑で、素直になれない少年少女は自分自身ですらその正体を掴むことはできない。だから物事の原因を他に押し付けたり、勝手に自己完結させて諦める。ただ素直になれないのは大人も同じで、子供から見た大人っていうのは、本当はもっとちっぽけなもので、案外大したことないのかもしれない。でもいくら立ち止まって前を見なくても、時間だけは勝手に過ぎて行っちゃうし、そこに立ち尽くしてる人間を置いてけぼりにしてしまう。だからこそ最後に決めるのは結局自分自身で、一歩を踏み出すのは自

    0
    2022年09月18日
  • 部屋には葦が生えている

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    子供の時にしか味わえない、分かるようで分からなくて、どこにもいけない気持ち。大人になったからこそ、理解しているのに、時に間違えてしまうこと。
    時代背景や気持ちの変化など、子供時代と現代との対比がとても分かりやすい。だが、考えることだけは、どの時代を生きても、年齢に関わらず、やめてはいけない。苦しくても考えること、自分で考え続けること。その大切さを感じさせられた。

    0
    2025年09月01日
  • 部屋には葦が生えている

    Posted by ブクログ

    暗号がポイントですが、ミステリーというよりも、
    子供時代のひと夏の思い出と現在が交差する、友情の物語だと思いました。

    少年時代のワクワク感。瑞々しい感情のふり幅。
    未来への屈託のない希望、使いきれないほどの自由時間。
    子供なりに大人や友達に気を使って、板挟みになったり、未熟さゆえに不本意に相手を傷つけてしまったり。
    そして大人の都合で振り回される不自由さ。
    なんかを思い出しました。

    あの年ってほんとに激動の一年だったんだなー。

    0
    2025年11月06日

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