作品一覧

  • レイシズムとは何か
    4.6
    1巻935円 (税込)
    「日本に人種差別は本当にあるのか」。そのように疑問に思う人も多くいるだろう。だが日本にも人種差別撤廃条約で禁止されている差別が現実に起きている。間違えていけないのだが、現在の人種差別は人種を表に出せないかわり、文化の差異などを理由に差別を扇動しているのだ。なぜそのような差別は起きるのか? 日本ではそれが見えにくい理由は? レイシズムの力学を解き明かす。
  • 国境廃絶論 入管化する社会と希望の方法
    -
    1巻2,860円 (税込)
    国境は人々を分断し,レイシズムを助長し,世界的な格差を拡大する.そして「不法移民」監視テクノロジーは,移民のみならず私たちすべての自由と安全を脅かす.国境とは私たちの日常にある脅威なのだ.では,誰もが移動と居住の自由をもつ世界はいかにして可能だろうか? 国境の害悪と不要性,そして廃絶のヴィジョンを明快に描く.

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ユーザーレビュー

  • レイシズムとは何か

    Posted by ブクログ

    評価をできる身ではないので評価は星5。とてもわかりやすくて、今の日本に起きていることがどうして起こってしまっているのかがものすごく腑に落ちで、読んでよかったと思ったし、自分が何ができるのかをよく考えることができた。
    読んでいてハッとして、恥ずかしくなったのは、ナショナリズムとレイシズムが日本では節合しているのだということ、日本には反差別の法的な規制がなく、反差別は加害者の差別を止めることだという当たり前のことが自分の中にきちんと存在していなかったこと。今の日本でヘイトスピーチが横行して極右が政党として台頭していることに憤っているのに、その根本的な原因がどういうところにあって、歴史で何が起こって

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    2025年09月21日
  • レイシズムとは何か

    Posted by ブクログ

    後半に入るに従って、現代が抱える問題に唸らされながら読むこととなった。本書は、レイシズム(とりわけ日本の抱える危うさ)およびそれと闘う手段について私たちが主体となって考える、いわば入口の役割を果たしてくれているのではと感じる。前半はその発生過程(西欧含む起源)、後半は問題の実例を洗い出していると思う。
    どうせ変わらないという無気力なニヒリズムに陥らないためには知識と根気が必要だし、傍観者にならないためには勇気が要る。
    それでも、差別を受けたまま消費されるマイノリティとしての「被害者」に閉じこもらないためには、発信を続けていくことが肝要だろう。
    知識を根底の武器においてさえ相当の勇気と根気が必要

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    2021年06月13日
  • レイシズムとは何か

    Posted by ブクログ

    認識(実践)には「本質把握」と「概念的把握」というレベルがある。
    「帝国主義は侵略性という本質をもち、我国のこれこれの振舞いはその本質に合致している」ということが「分かった」からといってそこから一歩先に進めるものでもない。しかし「帝国主義は資本主義のどん詰まりの姿であり被抑圧人民の国際連帯によって打倒されることがその真理である」というように、対象を全体性と発展性(歴史性と云っても良い)において捉えるなら、そこに主体の立ち位置はどうなんだということも含まれてくる。このレベルでのモノゴトの把握の仕方を〈知識〉とか〈理解〉よりも高次の〈概念〉と呼ぼう、というのがヘーゲルの言葉遣いだ。この〈概念〉を基

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    2022年01月17日
  • レイシズムとは何か

    Posted by ブクログ

    レイシズムとは何か、というタイトル通りのことがしっかり書かれている。「人種は存在しないが、人種差別は存在する」「レイシズムとは、人種化して、殺す(死なせる)、権力である」など重要な指摘多数。差別をなくしていくためには、「差別アクセル」(差別する自由を作り出す)を公の場からはっきりと除いていかなければならない。日本型反差別は、加害者の差別する自由に手を付けず被害者を尊重しようとする点で問題があるという指摘も、もっともだと感じる。日本は人種差別撤廃条約に1995年に批准(世界で146番目)したが、条約が義務づける包括的差別禁止法もつくらず、差別統計もとらないまま条約違反を続けており、このことが日本

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    2021年04月10日
  • レイシズムとは何か

    Posted by ブクログ

    この間BLMから端を発していくつか人種差別についての書籍を読んだが、その中でもまさに「レイシズムとは何か」について正面切って答えている、タイトルにふさわしい良書。

    私自身はこの本に出会うまで、この間BLMから端を発していくつか人種差別に関する書籍を読んできた。(アメリカへの入植から始まり黒人の辿った歴史や国としての成り立ち、その中で生まれた監獄ビジネス、啓蒙思想がもたらしたもの、公民権運動、白人ナショナリズム、優生思想、科学と人種・・・)

    これまでたくさんの良書に恵まれたが、個別には「人種差別とは何か」を考える上での1つの側面を切り取ったもので、自身の中では、アメリカの人種差別を中心に見て

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    2020年12月02日

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