梁英聖のレビュー一覧
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評価をできる身ではないので評価は星5。とてもわかりやすくて、今の日本に起きていることがどうして起こってしまっているのかがものすごく腑に落ちで、読んでよかったと思ったし、自分が何ができるのかをよく考えることができた。
読んでいてハッとして、恥ずかしくなったのは、ナショナリズムとレイシズムが日本では節合しているのだということ、日本には反差別の法的な規制がなく、反差別は加害者の差別を止めることだという当たり前のことが自分の中にきちんと存在していなかったこと。今の日本でヘイトスピーチが横行して極右が政党として台頭していることに憤っているのに、その根本的な原因がどういうところにあって、歴史で何が起こって -
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後半に入るに従って、現代が抱える問題に唸らされながら読むこととなった。本書は、レイシズム(とりわけ日本の抱える危うさ)およびそれと闘う手段について私たちが主体となって考える、いわば入口の役割を果たしてくれているのではと感じる。前半はその発生過程(西欧含む起源)、後半は問題の実例を洗い出していると思う。
どうせ変わらないという無気力なニヒリズムに陥らないためには知識と根気が必要だし、傍観者にならないためには勇気が要る。
それでも、差別を受けたまま消費されるマイノリティとしての「被害者」に閉じこもらないためには、発信を続けていくことが肝要だろう。
知識を根底の武器においてさえ相当の勇気と根気が必要 -
Posted by ブクログ
認識(実践)には「本質把握」と「概念的把握」というレベルがある。
「帝国主義は侵略性という本質をもち、我国のこれこれの振舞いはその本質に合致している」ということが「分かった」からといってそこから一歩先に進めるものでもない。しかし「帝国主義は資本主義のどん詰まりの姿であり被抑圧人民の国際連帯によって打倒されることがその真理である」というように、対象を全体性と発展性(歴史性と云っても良い)において捉えるなら、そこに主体の立ち位置はどうなんだということも含まれてくる。このレベルでのモノゴトの把握の仕方を〈知識〉とか〈理解〉よりも高次の〈概念〉と呼ぼう、というのがヘーゲルの言葉遣いだ。この〈概念〉を基 -
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レイシズムとは何か、というタイトル通りのことがしっかり書かれている。「人種は存在しないが、人種差別は存在する」「レイシズムとは、人種化して、殺す(死なせる)、権力である」など重要な指摘多数。差別をなくしていくためには、「差別アクセル」(差別する自由を作り出す)を公の場からはっきりと除いていかなければならない。日本型反差別は、加害者の差別する自由に手を付けず被害者を尊重しようとする点で問題があるという指摘も、もっともだと感じる。日本は人種差別撤廃条約に1995年に批准(世界で146番目)したが、条約が義務づける包括的差別禁止法もつくらず、差別統計もとらないまま条約違反を続けており、このことが日本
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Posted by ブクログ
この間BLMから端を発していくつか人種差別についての書籍を読んだが、その中でもまさに「レイシズムとは何か」について正面切って答えている、タイトルにふさわしい良書。
私自身はこの本に出会うまで、この間BLMから端を発していくつか人種差別に関する書籍を読んできた。(アメリカへの入植から始まり黒人の辿った歴史や国としての成り立ち、その中で生まれた監獄ビジネス、啓蒙思想がもたらしたもの、公民権運動、白人ナショナリズム、優生思想、科学と人種・・・)
これまでたくさんの良書に恵まれたが、個別には「人種差別とは何か」を考える上での1つの側面を切り取ったもので、自身の中では、アメリカの人種差別を中心に見て -
Posted by ブクログ
目的:
差別が暴力に結びつくメカニズムを知るため。
資本主義が差別と密接な関係であることを理解するため。
要旨:
差別と言っても、本書が取り上げるのはレイシズムである。極端な例としてはナチズムによるユダヤ人虐殺が挙げられるが、日本で言えば在日コリアンへの差別がある。本書では、これらの事例を検討し、差別が暴力へと昇華されるメカニズムを明らかにしている。
感想:
日本でもレイシズムが存在すると喝破する筆者の意見に驚いた。
反レイシズム規範が存在する欧米諸国と比較すると、反差別規範の存在しない日本では差別を禁止することができない。そのため、「表現の自由」だと言い逃れすることができる。そんな世の中