作品一覧
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4.4ACCグランプリを受賞した「ファンタ」やTCCグランプリを受賞した「さけるグミ」など、斬新な作風で知られるCMプラナー・井村光明氏。彼はその作風から天才肌だと思われがちだが、実は努力の人である。 考えて考えて考えて、ようやく「面白い」アイデアにたどり着く。果たして彼のメソッドは再現可能なのか? コピーライター講座の講師でありながら、生徒に「何が面白いのかわからない」と言われて凹み、七転八倒し、「面白いとは何か」の答えにたどり着くまでをつづる。笑えて、ためになって、最後は泣ける、異色のビジネス書。 「明日プレゼンなのにまだ企画ができていない、明日が締め切りなのにまだ何も書けていない。やばいやばいやばい。今日まで何もせずに放っておいたわけじゃないのに、そのうち思いつくだろうと思っていたがまだ思いつかない。ここまで粘ってみても思いつかないということは、あと数時間考えても閃く気がしない。やばいやばいマジやばい。誰か助けてほしい。 すると誰もいないオフィスに偶然先輩が通りかかり、苦し紛れに話してみると、「ああ、こういうこと俺にもあったよ」と相談に乗ってくれた! 先輩の言葉の中に、きっとヒントがあるはずだ。一言も聞き漏らすまいと、うんうんとうなづきながら耳を傾ける。 けれども途中から、(あれ? これはただの先輩の自慢話というか、ナレッジをひけらかされるだけで終わってしまうんじゃないか?)と感じ始めると、果たしてその通りになり、「じゃ、頑張って」と去っていく先輩の後姿を見送ることになってしまった。結局時間を無駄にしただけかよ、やばいやばい超やばい。 あー、一生懸命考えているのに、グルグルグルグルおなじ所を回るばかりで一歩も進んでないじゃないか! 新しいことを考えようとしても、気づくとまた同じところをグルグル回っている。もうだめだ、もう一人じゃ抜け出せない。けれど助けてくれる人は誰もいない・・・。 いや、待てよ、そういえば・・・」(「はじめに」より)
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
面白いか面白くない以前に、「良くわからない」と言う状態があったりする。一般的に「企画は引き算」といわれる。その企画の面白さをよりわかりやすくするために余計な部分を削っていくことでクオリティを上げていく。しかし、筆者は要素を足していってわからないものにしてしまった経験がある。「面白い」の対義語は「良くわからない」と筆者は考えた。
企画を考える時に行き違いはよくあること、日所会話ですら誤解があっても会話は成立する。人はそれぞれ無意識に自分に都合よく解釈して成立させるものだからである。単語1つにしてもそれぞれの持つイメージは違う。企画もそうで良きせぬ時に笑ったメンバーがいて、よくよく聞いてみれば内容 -
Posted by ブクログ
ネタバレInstagramで誰かの投稿に載っていて気になった『面白いって何なんすか!?問題』(井村光明)。
クリエイティブな仕事に就いていてそのヒントを求めていたわけではなく、タイトルに惹かれ手に取ったのですが……
読んでて非常に面白かった!!!
特に以下4点がビビッと来ました。
【❶ 誰にでもできる現実的で確実に面白くなる方法は、省く基準を持つことではないか。
❷ 考えるというより偶然見つけるしかない。
❸ 自分探しよりも、俺は偶然を探して生きていこう。
❹ 生徒さんを見ていると「うまく説明できないんですけど、なんか好きなんですよね」と選ぶ人の方が、その後良いコピーを書くことが多いです。 -
Posted by ブクログ
広告のクリエイターのクリエイティブ本みたいなジャンルってあって、その時その時のスタークリエイターが会社辞めた時の名詞代わり、とか経営するクリエイティブの会社の営業ツールとして、とかで出版されています。そういえば、このジャンル、絶えることなく続いていて、やっぱり一定の市場があるのだろうな、と思うのですが、そういう自分も時々、読んだりしているのです。今時のクリエイターって、わかりやすくロジカルに説明するのが上手なので、どの本も「なるほど…」が満載なのですが、やっぱり多少の「えっへん!」が入っているのは仕方ないと思っていました。わかっている人が、わかっていない人に教える本だから、そのなるのは当然…だ