作品一覧

  • 恐るべき子供たち
    3.5
    1巻660円 (税込)
    ◆享楽的で退廃的なムードが漂う第1次大戦後のパリ。高等中学に通うポールは、憧れの男子生徒ダルジュロが投げつけた雪玉で大けがを負ってしまう。◆同級生のジェラールがポールを家まで送っていくと、そこには、美しく奔放な姉エリザベートがいた。ポールとエリザベートは、社会から隔絶されたような「子供部屋」で、ふたり一緒にくらしているのだった。◆エリザベートと「部屋」の魔力に惹かれたジェラールは、その日から、ふたりのもとへ足しげく通うようになる。◆そこへ、ダルジュロにうりふたつの少女アガートがあらわれ、運命に吸いよせられるように4人の共同生活がはじまる。◆同性愛、近親愛、男女の愛。さまざまな感情が交錯するなか、4人はまだ幼く未熟であるがゆえに、たがいに傷つけあうことしかできない。◆やがて、ポールとアガートが強く惹かれあっていることを知ったエリザベートは……!◆20世紀のフランスで天才芸術家の名をほしいままにしたジャン・コクトーの小説を、西洋画家・東郷青児が美しく鋭い筆致で訳しだした名作。
  • 恐るべき子供たち

    Posted by ブクログ

    別の出版社の文庫で既読でしたが装丁が素敵だったので購入。ポール、エリザベート、ジェラール、アガートの間で渦巻く愛憎。ポールとエリザベートは姉弟というにはあまりにも強い感情で結ばれていた。それはポールなくしてはエリザベートはエリザベートでいられなかったからだと思う。「部屋」の中での自分の役割を手放したくなかったのだ。彼女が最後に選んだ行動も悲劇的でありながら、何処か芝居めいて見える。ポールにとってダルジュロは愛の対象と憧れ、そして「毒薬」を齎す死の象徴だった。危うい均衡を保っていた「部屋」はやがて瓦解する。そこにはもう子供たちはいない。

    1
    2020年08月17日
  • 恐るべき子供たち

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    ネタバレ

    子供たち、という言葉からイメージしてたより年齢が高かったけど、でもこの登場人物たち、とくに姉弟は「子供たち」という呼び方がぴったり。モラトリアムにしては長いし、いつまでもこんな関係や生活は続かないだろうと思っていたら崩壊しました。姉弟がこの家や人生から退場することによって。
    先に映画『ドリーマーズ』を観ていて、原作がこちらだと知り読んだのですが、近親相姦的な官能というよりは、姉弟はお互いに、相手を愛憎渦巻く己の半身と感じてるのか…みたいに思えました。
    弟ポールを側に置いておくためにエリザベートが企てたこと凄い…ジェラールは彼女を崇拝してるから言いなりだろうし。アガートを含めた4人で会う気不味さ

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    2023年06月14日
  • 恐るべき子供たち

    Posted by ブクログ

    岩波文庫/鈴木力衛訳のほうを読んだ。萩尾望都による漫画化、コクトー本人が脚本、ナレーション、キャスティングを行った映画化もされているようなのでそっちも見てみたい!愛ゆえの恐るべき陰謀、悪魔的で雰囲気は好きだけど全部理解できたわけではない

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    2022年05月11日
  • 恐るべき子供たち

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    同性愛や近親愛など様々な愛し方をするお話が面白いと思い読んでみた。しかし、中学生以下の子には少し早い話であった。正直私はあまり本を読まないタイプなので誰が何を思い、考えているか等を深く読み取ることが出来なかった。でも、自分の中で納得した部分もある。それはポールとエリザベートは『愛』のせいで変わった行動をするということ。
    ここからは私の考察である。
    それぞれの愛の関係について(2)
    ポールとダンジェロ
    →最後ポールはダンジェロから間接的に貰った「毒?」のようなものを体に取り込んで死んでしまった。この時ポールはダンジェロを愛していたから贈り物を大切に思い使用したのではないかと考えた。

    エリザベー

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    2020年11月25日

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