第二巻。
副題「妖怪変化何するものぞ」の通り、妖怪変化が次々出てきて、三蔵法師を攫い、孫悟空が妖怪退治をして…というパターン。
そんな孫悟空の姿はこう表現される。
「顔は猿面、雷公もどき。頭に金の箍(タガ)をはめ、手にした如意棒振り回し、敵は百万ありとても義を見てせざるは勇無きなりと、快刀乱麻の鮮や
...続きを読むかさ。天下にその名を轟かす、つわもの、切れもの、がさつもの。ざっとこのようにうかがっております」P142
しかしこの妖怪変化と言うものが天上から落されたり逃げ出したりした童子やら動物やらということが多い。そのため地上の人間や動物や土地神とかが被害被っていて、天上界のみなさんいくら神や仙人だからと言って地上に変なもの落っことさないでよ、と思っていたんんだが、
どうやら孫悟空もまさにその気持ちで、天上に行った時に太上老君に文句垂れている。
「まったくもう、いい加減にしてくれよな。平頂山の金角銀角もじいさんとこの小倅だったじゃねえか。だらしがないんだよ、だらしが。おかげでこっちは大迷惑だい。戸締りは出来ない。家畜の躾はできない。布団は敷きっぱなし。顔は洗わない。歯は磨かない。尻はふかない。道教の親玉が聞いてあきれるよ」P207
まあ太上老君は、童子(金角銀角)や牛(独角兕大王)に逃げられ、天界の道具やらを落っことしたり盗まれたりしてるんだから、後始末が回ってきた孫悟空に言う権利はある。…しかし三蔵の弟子ご一行だって、猪八戒は地上に落とされ山賊生活、沙悟浄は川をねぐらに人食い生活、いやこの人たちも十分迷惑だったんだよな…。天竺への旅で罪が許されるということだがまあ励んでください。