澤田晃宏の作品一覧
「澤田晃宏」の「外国人まかせ 失われた30年と技能実習生」「東京の憂鬱」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
「澤田晃宏」の「外国人まかせ 失われた30年と技能実習生」「東京の憂鬱」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
Posted by ブクログ
技能実習制度と言えば、劣悪な環境で働かせられる低賃金奴隷労働との認識だ。かつて繊維産業が盛んだった故郷の街にも古くから中国人実習生が多数来日し、NHKでその実態が告発されたこともある。いかにも日本的な偽善と欺瞞に満ちた制度であり、同じ日本人として申し訳ない気持ちになる。日本人の民度では所詮この程度の政治しか選べないのだ。
ただ、つい日本人的な発想で長時間労働させられて可哀想とか思ってしまうが、この本を読んで、そんな単純な話でない事も理解できた。丁寧な取材に裏打ちされたリアリティのあるルポで、読み応えがある。
今後日本の国力と共に円の価値が低下していく中で、日本で働きたい外国人は減っていくだろう。人権意識の低い一部の経営者にはザマァ見ろという感じだが、1消費者として人材不足によるサービス低下を受け入れる覚悟が必要だ。
Posted by ブクログ
国際社会からは「奴隷労働」だと非難されている「技能実習生」についてのルポタージュだ。本書ではベトナム人に焦点が当てられて書かれている。最低賃金の手取りからさらに家賃なども差し引かれての収入で、3年間で300万貯め込んで本国に帰り家を建てるベトナム人もいることは確かだけれど、失踪しなければならないほど劣悪な条件で働かされている外国人もあとをたたない。これは本国の送り出し機関とそして日本の監理団体がクソだからだ。日本の監理団体は帳簿に形跡が残らない仕組みでキックバックを送り出し機関からもらっている。本国で飲めや歌えや抱けやの接待をベトナムで受けたり、または現金を実習生に運ばせたりしているらしい。結局そのお金のしわ寄せは、実習生が支払うことになる。70〜100万円が送り出し機関に支払っている。技能実習生は転職が許されない。仕事が嫌なら、辞めて本国へ帰るしかない。しかし、帰ったら送り出し機関に支払った借金が残っている。ベトナム人の平均年収は25万円だから、返す事も出来なくなる。だから失踪して、少しでも給与の高い仕事を探すのだけれど、入管に見つかれば強制収容そして強制帰国をさせられてしまう。技能実習生は以前は中国人が多かったらしい。しかし国力は逆転しているので、今や日本の労働力が中国に買われている状態。こんな制度も、アジアの国々がやがて日本を追い抜いて、見向きもされなくなるだろう。
Posted by ブクログ
主にベトナムからの技能実習生を対象に、実習生本人や送り出し機関、監理団体や受け入れ企業を取材し、技能実習制度の実態を記載したルポ。こういった外国人労働者問題を扱った図書では、著者が自分の信念を強く訴えるような書き方になることが多いように思いますが、本書はあくまで、この制度の実態はこうですよ、というある意味で中立的な描き方に専念しているように思われて、読み応えのある1冊でした。
本書を読む限りでは、ベトナムからの技能実習生は日本での労働が"劣悪な環境ではあるが、期間限定の一獲千金の場"であることを予め知ったうえで来ているので、そういった意味ではこの制度は実習生にとっても受け入れ企業にとってもWinWinである制度なのかしらと思いました。
ただ、やはり以下のような点で、これが国として行っている公的な制度の実体か?と思わずにはいられませんでした。
〇「技能実習」制度の趣旨である「前職要件」はほぼ偽造
日本サイドの実習実施企業が求めるのは「単純作業に就く労働力」であり、実習生が求めるのは知識や技術ではなくお金(p.79)なので、公然の秘密として偽造が行われている。
〇送り出し機関から監理団体や受け入れ企業への接待費用が実習生の自己負担として重くのしかかっている
ベトナム側の送り出し機関が求人票を得たり、契約を得たりするために、日本の監理団体や企業を接待したり、裏金を渡したり、付加的なサービスを提供したりすることが常態化している。これらの費用が最終的には実習生自身から徴収されており、実習生の借金額を大きく増やしている。
このことが詳細に記載されている第2章「なぜ、派遣費用に一〇〇円もかかるのか」は圧倒される内容でした。実習制度に関わっている日本人たち(もちろん全員ではないわけですが)のひどさに、本当に胸糞悪くなりました。
結局のところ、実習生を助ける立場であるはずの監理団体は受け入れ企業とずぶずぶで、「監理団体」という役割を到底果たしていなさそうに思われました。これがこの制度の一番の欠陥のように思われました。
実習生が本当に困った立場になったときに、助けてくれるところがない、という意味で、結局は「現代の奴隷制度」のそしりをまぬかれないだろうなと思いました。
そしてこういう実態を知りつつ、日本という国はこの制度をそのまま続行しているわけで、とても国際社会に誇れたものではないなと改めて思ってしまいました。
Posted by ブクログ
技能実習生の実態を筆者が実際に現場に行き、リアルを書いた良書である。
よくある技能実習への単なる批判ではなく、実習生が醜悪な環境でもなぜ日本に働きに来るのか、正確に書かれていると感じた。
最初に描かれているベトナム人の300万円の自宅は写真の掲載があったが、
圧巻であった。なるほどこのような夢を求めてベトナム人は日本に来るのか。。
もちろん、メディアで騒がれているように明るい現実だけがあるのではない、
ベトナムの送り出し機関に登録するために、実習生は100万円程度用意が必要。
大抵は前借りをする。場合によっては実家の家や土地を担保にする。
やっと日本に来られても、残業が少なく給料が少ない場合、失踪し、他の場所で働くことになる。失踪者の斡旋人も数多くいる。
なぜ100万円も必要になるのか、それは技能実習制度で賄賂が多くまかり通っているからだ。送り出し機関が監理団体に賄賂を渡し、ベトナム人がきた際に監理団体を猛烈に歓迎するためにお金が必要となる。そのお金を実習生が払っている。
それだけお金をもらっている監理団体は、受け入れ企業の監理業務を怠り、ベトナム人が制等にお金を貰えていなかったりしている。
特定技能が新設されたが、まだ合格者は非常に少ないという現実がある。
とにかく非常に勉強になった。
Posted by ブクログ
約3年間技能実習生の入国後講習に携わり、それ以前からボランティア教室で数多くの技能実習生に接してきた私は、テレビや新聞で技能実習制度の悪い面ばかりが報道されることに疑問を持ってきた。本書で特に興味深かったのは、ベトナムで元技能実習生の今を追跡していたこと。家だけでなく土地を買っていたり、元技能実習生同士で結婚したり再び日本に向かったり。
本書でも触れていたように、フィリピンは技能実習生に費用の負担をさせておらず、失踪も少ない。にもかかわらず相変わらずベトナム人ばかり多いのは実習生から搾取したお金で営業が行われているから。残念で仕方がない。
また、将来留学したいという実習生に、日本語を学ぶためなら技能実習で十分だと言ってきたが、技術、人文知識、国際業務のビザ取得には大卒が条件と知って納得した。