山本健の作品一覧
「山本健」の「1インチの攻防 NATO拡大とポスト冷戦秩序の構築」「ヨーロッパ冷戦史」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「山本健」の「1インチの攻防 NATO拡大とポスト冷戦秩序の構築」「ヨーロッパ冷戦史」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
ベルリン封鎖や雪どけ、フランスやルーマニアの独自外交、西ドイツの東方外交、デタント、ベルリンの壁崩壊などの冷戦の一連の流れは知っていたが、それぞれの出来事に各国の交渉や妥協が背景として存在していることを学んだ。特に、ベルリンの壁崩壊時に西側諸国が慎重に対応していたのは意外だった。また、この本は東西間の貿易について詳しく論じており、それが冷戦にもたらした影響を強調していた。高校世界史は冷戦の貿易的な側面はほぼ扱わないため、とても興味を持って読めた。さらに、東西陣営内での対立が冷戦の進行に常に影響を与えていたことを知れた。高校世界史での表面的な知識から、より深みがある冷戦の知識を得れて良かった。
Posted by ブクログ
正にヨーロッパ冷戦の通史だ。しかも出来るだけ平易に書かれている様に感じた。
中でもドイツ、特に西ドイツを軸に書かれている。 ベルリンは東西分裂の象徴であるし、地理的にも西に地続きでフランス、ドーバー海峡を隔ててイギリス、更に大西洋を隔ててアメリカ。そして東にはソ連。
デタントについても多方面から分析されている。高校時代の世界史では世の習いでさらっと流した程度だったと記憶にあるが、当時から二十年以上たった現在、最新の研究ではデタントの重要性が増しているのか、それとも本書中の比重がかなり当てられているのか、他の研究者の見方も気になった。
ソ連以外の共産主義圏についても多く取り上げられている。東ドイツやポーランド、チェコスロヴァキア、オーストリア、ハンガリー、ルーマニア、ユーゴ。チャウシェスク夫妻の最後は子供心にも強く衝撃を受けた。
本書には取り上げられておらず、蚊帳の外といった感のある旧枢軸国のイタリアやフランコ時代のスペインを書いた本も手に取ってみたいと思った。
くまざわ書店阿倍野店にて購入。
Posted by ブクログ
通史本。ナチの台頭に対抗して自由主義国と共産主義国が手を組み、WW2後の東欧問題における互いの意図を読み違えて対立した欧米vsソ連の軸と、荒廃した欧州の支配下にあったアジア・アフリカが反植民地主義(民族主義)から米国とソ連の間を彷徨い、米国・ソ連が対応に苦慮するアジア・アフリカ独立の軸が重なり合って複雑な国際秩序が形成されたことを示す。その中で米国は圧倒的経済力から超大国となり英仏ら旧帝国を従える。そういう意味で東側の中ソ分裂が分岐点になったのかも。
後編。米ソのイデオロギー対立が他世界(南米・東南アジア・中東・アフリカ・印)にも持ち込まれていたことを示す。右派国粋主義軍部による開発独裁と社会主義に親和性があったこと、資本主義と経済発展が同義ではなかったことは印象的だった。ナショナリズムが冷戦システムに組み込まれていく様子は一国の無力さを感じさせられる。1975頃のデタントが、米国民の自国没落への恐れから破れてレーガン登場につながるのは皮肉。ゴルバチョフの政策は時勢を踏まえれば悪くないものだったが、勝負どころの機敏さが欠けていたのが悪かったように見えた。結局人民の意志が反映されていない国は不安定にならざるを得ず、格差や独裁の放置は根本的な危機を招くという歴史の教訓はよくわかった。
副題の通り、米ソの観点以外からの冷戦史が叙述されていて、地球規模で資本主義と共産主義の理念弁証法的対立が世界を覆っていた20世紀の空気を垣間見ることができた。