「中東のシリコンバレー」と称されるイスラエル。起業家精神を持った優れた人材を多数生み出す、同国国防軍のエリート養成プログラム「タルピオット」を紹介した書籍。
ハイテク産業の進展により、イスラエルは目覚ましい経済成長を遂げている。その躍進の背景には、「ユダヤ教やユダヤ人の持つ議論の文化」「イスラエル
...続きを読む国防軍の人材教育」「スタートアップを取り巻くエコシステム(生態系)」がある。
・ユダヤ人は仕事の依頼に対し、指示されたやり方ではなく、前提条件を疑い自分なりに工夫してやろうとする。また、権威に対してもためらわず、疑問を投げかけ議論する。
・徴兵制のある同国では、若者に兵役が課せられる。この徴兵制は、若者に発想力や責任感、起業家精神を身につけさせる教育システムとしても機能している。
・優秀な人材を求める外国企業や投資家が同国に集まり、スタートアップを取り巻くエコシステムとして機能している。
「タルピオット」は、選び抜かれた人材を集中的に磨き上げ、テクノロジーリーダーを育成するプログラムである。タルピオットでは、例えば次のような力を身につけられる。
・自分で課題を見つけ、どのような方法でそれを実現するか、解決法を生み出す力
・アイデアの実現に向けて提案し、リソースを調達するなど、現場で課題を見つけて、イノベーションを生む力
・協力し、迅速に成果を上げるチームワーク
・失敗しても、振り返りを繰り返すことで改善し、困難に挑戦する前向きさ
・粘り強く任務を遂行する精神力
・タルピオットの同期の強い連帯感や、卒業生全体のネットワーク