作品一覧

  • 人種とスポーツ 黒人は本当に「速く」「強い」のか
    3.6
    1巻924円 (税込)
    オリンピックの陸上男子100m決勝で、スタートラインに立った選手56人は、ここ30年すべて黒人である。陸上以外の競技でも、彼らの活躍は圧倒的に見える。だが、かつて彼らは劣った「人種」と規定され、スポーツの記録からは遠い所にあった。彼らは他の「人種」に比べ、本当に身体能力が優れているのか――。本書は、人種とスポーツの関係を歴史的に辿り、最新の科学的知見を交え、能力の先天性の問題について明らかにする。

ユーザーレビュー

  • 人種とスポーツ 黒人は本当に「速く」「強い」のか

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    黒人はスポーツに生まれつき強く、生得的な身体能力を有しているというのは、多くの人が持つステレオタイプの一つであろう。実際の競技実績等から見れば、一側面としては紛れもない事実であるが、文化的、社会的、歴史的な側面から慎重に検討した場合、それは黒人という社会集団が近代の社会的迫害を経験することで生まれたスポーツで成り上がるというイニシアティブのもと生み出された一つの現象であると言える。短距離走で活躍するのは西アフリカ出身の者に偏りがあり、長距離走ではケニアのリフトバレーに住むナンディ族が大半である。また、黒人は泳ぎが苦手というステレオタイプもあるが、19世紀までは、黒人の泳力は白人に圧倒的に勝って

    0
    2024年05月26日
  • 人種とスポーツ 黒人は本当に「速く」「強い」のか

    Posted by ブクログ

    black lives matterが世界中で問題になって以降、人種問題についての本をぼちぼち手に取るようになったが、この本はスポーツという切り口から歴史的な人種問題を取り扱っていたので非常に新鮮で興味深い考察が多かった。

    時代によって黒人は白人よりも運動神経が悪いと見なされていたり、現代のようにあるスポーツで黒人が活躍すると、黒人は運動能力が優れているという偏見が先行し、実際はどうなのかが盲点になってしまう。このような人種が絡んだ論点には歴史的要因がどうしても絡んでしまうのがよくわかった。

    科学的に(遺伝子的に)黒人は運動能力に長けているのかが結局曖昧だったので、そこが一番気になる。あと

    0
    2020年07月10日
  • 人種とスポーツ 黒人は本当に「速く」「強い」のか

    Posted by ブクログ

    「黒人の身体能力は生まれつき優れている」というステレオタイプを真っ向否定から入っている所が良い。歴史的観点からそのステレオタイプを崩した。どのようにして今のステレオタイプが作られたのか?その生みの親まで遡っている。筋肉だけでは無かった!

    それにしてもスポーツの面からも語られているポール・ロブソンの凄さに改めて気づかされた。

    0
    2013年10月02日
  • 人種とスポーツ 黒人は本当に「速く」「強い」のか

    Posted by ブクログ

    黒人は柔らかな体を持ち、身体能力が高いという印象を持ってしまうが、それはアメリカという国で黒人が活躍できる場が限られていたことに起因する。実際にはそんなことは決してないということがよくわかる1冊である。

    0
    2013年08月07日
  • 人種とスポーツ 黒人は本当に「速く」「強い」のか

    Posted by ブクログ

    主にアメリカのスポーツ界における黒人の扱いについて、詳しくよくまとめられている。黒人を見る目や、或いは当の黒人たちの意識が、歴史的な潮流のなかでどう移ろってきたか、リアルな感覚と共に知ることができる。

    結論がややぼやけてしまっているのが残念と言えば残念だけど、要するにそういうぼんやりした結論になってしまうのは必至であるというのは分かるので、それはそれでいいのかな笑

    0
    2013年07月02日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!