あだちの作品一覧

真相も解明

恋が実るまでの二人のやりとりに感動しました。好ましく思う相手に自分のエゴも自覚しながら好意を伝える場面に、恋愛は綺麗にまとめられる物語ばかりでないと感じました。すごく勇気ある決断をしてるとも感じました。感情をぶつかり合せなくても、適度に距離を保ちつつ信頼できれば良いという恋愛もあるなかで情熱のもと自ら行動して相手と関わって行こうと決断しているからです。登場人物は熱血であるかのようなレビューになってしまいましたが、気持ちが受け取ってもらえなかったり、馬鹿にされたり、真実を隠して伝えてもらえない事も冷静に理解しているので多面的で人間らしく描かれてます。タイトルに書きましたが自殺か他殺かの真相も一応...続きを読む解明されます。

タイトルの恋とは

最初は女主人公の亡くなった男性との恋を指していると思いつつ、男性は本当に自殺だったのか気になりながら読み進めると、途中から表紙に描かれた二人の関係を指しているかもと思ってきました。勿論自殺なのか確かめる展開なのですが、話のテンポを良くするためか、表紙の二人のやりとりが軽妙で思わず笑える部分もあります。

マフィア闘争もの

作品の題名通り慈善家のようでいて内情マフィアの家騒動に巻き込まれた主人公の話でした。主人公は一度暗殺されたと見せかけ、事情により再度家に戻るわけですが、刃物も銃器も毒もたくさん話に出てくるし、甘言や讒言も飛び交うし、目的達成のために必要な証拠にも、簡単にたどり着けないし先へ先へと引き込まれます。最後まで読んだ後、登場人物は主人公も含め、良い面悪い面多角的に表現されてて、理解の及べない悪を書かれる作品もあるけれど、この作品は、主要人物全員を公平にドロドロした面も含めて、書かれていると感じました。（巻き添えで死んでしまったり見せしめに殺されてしまったりする人物も出てきますが）

ルカがテオに当たりが強いのは、実はかつてお嬢様に助けられたとか仕えていたとかそういう過去があるんじゃないかと思っていたら、当たらずも遠からずで、マフィアのくせに可愛いじゃないの、って思ってしまったのだな。地味にお気に入りなので死なんでくれ……！　と思っていたのに、途中でああなってがっかりして いたら、手のひらくるっくるで再登場してワロタ。
いがみ合い可愛いから、次回もやって欲しい。でもお嬢様はテオひとすじ。自分に向いてくれないのはムカつくけど、かと言って、テオひとすじじゃないお嬢様は解釈違いだったらもっと笑うんだけどな……。