益尾知佐子の作品一覧
「益尾知佐子」の「強権中国の野望」「コロナ、戦争、危機管理 指導者たちの「失敗の本質」」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「益尾知佐子」の「強権中国の野望」「コロナ、戦争、危機管理 指導者たちの「失敗の本質」」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
他国はこんな国だと評価する際、私たちはどれだけ確固たる根拠に基づいて考えられているか。私たちがある国に関して持っている情報がどれ恣意的な操作と選択をされてきたかのか。
そういう想像をさせてくれる本だった。
何かを「判断」する前に「理解」が必要だというのは当たり前のようであると同時に詭弁にも聞こえる。なぜなら、国と国との関係という複雑な事象においてはそれを完全に理解することなどほとんど不可能だからだ。また、個々人が他国に関して専門家レベルの理解を持たなければなんらかの判断を下してはいけないわけではないから、理解が必ずしも必要かと言えばそうではないと言える。実際にこの日本には、事実をもとに他国
Posted by ブクログ
構成がよく、全体を通した筆者の論旨が明確。
1・2章では総論として、中華人民共和国の革命政権としての性格や、党・軍・国の3系統の分立などを説く。ここが筆者の主張の核になる部分で、タイトルにもある「中国の行動原理」が示されている。
特にエマニュエル・トッドの家族人類学に基づく考察は興味深かった。中国人の家族形態は外婚性共同体家族にあたり、家父長の権限が強い一方で息子間の連帯は希薄になる。このことがトップダウン型の組織秩序や、「潮流を読む」ことの重視といった中国社会の特徴を生み出している、とのこと。
続く3・4章は革命以降の政治史。ここは読んでいて単調に感じる面もあるが、まあこれは仕方がないだ
Posted by ブクログ
中国関係で読んだ本で一番面白かった。特に、家族観(家父長が強く子供は平等)という古くからの家族制度が中国・ロシアといった強権的な国家体制と関連があり、家父長に権力が集中し、その程度によって子供たちの振る舞いが変わってくる。強ければ従うし、弱ければバラバラになり、死にそうならその後に向けて遠心力が働く。
こうした分析を前提として、中国の国際関係の基本は国内体制であり、国内でのサバイバルのために国外関係は影響されたり、りようされたりする。中央が弱ければ地方発の取り組みが強まり、強ければ中央統制型の仕事ぶりとなる。具体例としての広西チワン族自治区や国家海洋局のケーススタディも具体的なプレイヤーの意
Posted by ブクログ
中国の専門家による、中国という国の行動原理について考えを述べたもの。今まで研究してきた中国共産党の歴史をベースに、エマニエル・ドットの主張する「外婚制共同体家族」という特徴を重ね合わせ、中国という国の仕組みを解き明かしている。中国人の知り合いも多いようで、彼らからの情報も説得力を高めている。論理的でとても勉強になる、素晴らしい一冊であった。面白い。
「近代の国際関係システムの特徴は、各国にそれぞれ主権があり、それらに超越する政府が存在しないこと、つまり世界大にみれば無政府状態(アナーキー)であることとされる。その中では、各国は身を守るために他の権威にすがることができない。自国の国力の限界を