著者自身の思考法や米空軍での体験をもとにして、ビジネスで大切なものは何かを探っていく。
タイトルから期待していたのは、よりクリエイティブなアイデアを生み出す/辿り着くためのツールとしての図やその活用例の網羅であったのだが、実を言えば、本書前半で紹介されている数々の図は使い方のイメージが湧きにくいも
...続きを読むのや、図を用いるメリットが分かりにくいものが多く、「なるほど!」とはあまりならなかった。なので、紹介されている図の物足りない部分を見付けながら「こうした図のアイデアを、自分の事業や企画開発に活かすには、どうアップデートすればいいだろう?」と考えていく、というのが本書の最も効果的な使い方になると思う。
むしろ本書を読んで良かったと感じた部分は、米空軍での経験から著者が感じたことが要所要所にちりばめられた部分や、「事業成功のための5つのエッセンス」と題された「ビジョン」「アセット」「課題」「コンセプト」「USP/ターゲット」を見る視点が具体化されていた部分だったと思う。マーケティングや、企画経営の初学者としては、こうした内容に触れられたのはありがたかった。
タイトルから、アイデア創造のハウツー本と期待して買うと肩透かしを喰ってしまう内容だとは思うが、ある程度抽象的な記述であっても自分なりに解釈できる人がビジネス上のマインドセットを探る目的で読むには良い本だと思う。