作品一覧

  • 憲法講話
    4.5
    1巻902円 (税込)
    日本国憲法に結実した人間主義・平和主義の精神は、国民が旧憲法下でのにがい体験から学びとったものであり、敗戦による荒廃から立ち上る戦後民主主義の基本原理であった。だが、今日なお、「いつか来た道」へ戻そうとする動きが執拗に続いている。日本国憲法のふくむ問題点とその意味を、旧憲法とかかわらせつつ分りやすく語る。

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  • 八月革命と国民主権主義 他五篇
    5.0
    1巻1,001円 (税込)
    1945年8月のポツダム宣言受諾は,天皇主権から国民主権への革命であった――日本の憲法学を牽引した宮沢俊義(1899-1976)は「八月革命」説を唱えて,新憲法制定の正当性を主張した.その記念碑的論文をはじめ,主権の所在をめぐる尾高朝雄との論争時の論考,現在の通説の淵源となった論文「国民代表の概念」等を収録.

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  • 転回期の政治
    4.0
    1巻1,111円 (税込)
    民主政治が,なぜどのようにナチ独裁にとって代わられたのか.憲法学の泰斗・宮沢俊義(1899―1976)は,1930年代初めフランス,ドイツに留学.ナチスの台頭,ヴァイマル憲法の「死滅」をその同時代に目にし,独裁政治の手法を見抜いた論考を立て続けに発表した.民主主義,立憲主義を果敢に説いた宮沢の,戦前における注目の書.(解説=高見勝利)

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ユーザーレビュー

  • 八月革命と国民主権主義 他五篇

    Posted by ブクログ

    宮沢俊義は自他ともに認めるケルゼニストである。ケルゼンの根本規範論は、法というものは、その中身がどうあれ「法は従うべきもの」(=根本規範)という前提がなければ成り立たないという、法学の前提としての論理的仮説である。八月革命は天皇主権という根本規範を国民主権という根本規範に取り替えたわけではない。「法は従うべきもの」という前提は天皇主権でも国民主権でも変わりないからだ。こう指摘する長谷部氏は、八月革命説はケルゼンの根本規範論で説明するのは難しいと言う。まさにその通りで、宮沢が依拠したのはケルゼンの根本規範論ではなく、その論敵シュミットの憲法制定権力論であると解するのが一般的である(石川健治氏など

    0
    2025年08月24日
  • 憲法講話

    Posted by ブクログ

    現代の憲法学の礎を築いた宮澤俊義による憲法学の手引書。私が学生時代に日本国憲法を概観するのに最初に完読した本だと思いますが、これを越えた概説書は未だに見た事ありません。そのくらい素晴らしい入門書です。

    0
    2013年01月10日
  • 憲法講話

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    八月革命説を提唱した学者として有名である。天皇機関説で有名な美濃部達吉の弟子であり、田上穣治(山内敏弘・長谷川正安の師匠)の兄弟弟子、芦部憲法で有名な芦部信喜(渋谷秀樹の師匠)・奥平康弘の師匠である。憲法学の巨匠であろう。

    個人的に面白かったのは、裁判官の項目である。日本の最高裁判事は内閣の指名で決定されるが、その行政の長は議会が選ぶ。これはアメリカの制度を真似ているが、アメリカの最高裁判事も行政の長が指名する。ただ違うところは、日本の行政の長は首相で議会で選ばれるが、アメリカは民選である。つまり行政に対する民意を伝える制度が、日本にはない。アメリカは大統領制だから、行政に対する民意を伝える

    0
    2011年05月04日
  • 憲法講話

    Posted by ブクログ

     日本人の何%が,日本の知識人の何%が,
    この本に書かれたような意味で憲法や民主
    主義というものを理解しているだろうか。
    表現の自由,政教分離,学問の自由,法の
    下の平等といった11の話題について,他の
    国の例や明治憲法を引き合いに平易に解説
    している。初版は1967年だが,現在38刷を
    重ねているというのもうなずける。
    現在の憲法のありがたみ,日本の国としての(少なくとも今までの…)理想のあり方を
    知るのに格好の良書です。(2007年1月)

    0
    2009年10月04日
  • 転回期の政治

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    憲法を全体の基軸に民主制と独裁政、議会と政府の関係を対象とした日本の政治の変遷、当時の諸外国の政治的な状況分析を行なっている。難し過ぎず、示唆に富んでいる良著。ただ種々の政治問題に対して(おそらく時代背景から)躊躇と暗喩が見られるのでやや注意を要する

    0
    2021年07月18日

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