福田歓一の作品一覧
「福田歓一」の「近代の政治思想 その現実的・理論的諸前提」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「福田歓一」の「近代の政治思想 その現実的・理論的諸前提」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
1960年代の講演であることに時代を感じる。政治思想の由来を紐解きながら、最後に当時の問題意識に焦点を当てる。
「人間のつくりだしたものが非人間化して、人間に対立し、人間を非人間化するのが、まさに現代の特色」
この問題提起と回答を探るとすれば、おそらく当時の言論界としてはマルクス主義的なものを土台とすることが一般的だったことだろう。歴史の法則に光をあて、革命を含めたパラダイムの変革を呼び起こす…と。
もしそうだとすれば本書はその対案を示しているのかもしれない。いかに近代的な事物であってもそこに関わる生身の人間いるわけで、人間ひとりひとりを信頼し、憐憫や同情を持って思想的に訴える。エンタープライ
Posted by ブクログ
近代の政治思想の要諦は共同体・社会・権力が所与のものではなく、それが人間生存の条件から生まれてくるメカニズムを明らかにした所だという指摘は鋭いと思う。
自然と人間の峻別に由来する「内面の自由」を私達は本当に認識し、その価値を守ろうとしているだろうか?
この本の最終章で扱われている2つの問題。
生産から切り離された人間が「現代のパンとサーカス」をあてがわれる時、我々は本当に理性を獲得できるのだろうか? 重い。
そして国家の本質である暴力の問題。今、国防の観点からのみ軍備が議論されるが、抵抗権の物理的所在を問わなければならない。ベトナムのアメリカ戦勝利を再認識すべきだ。
選挙は革命の制度化。日本の
Posted by ブクログ
人間がいかにして中世に政治というカラクリを見破ったのかが書いてる。そして現代政治の基礎を築いたといわれるホッブズ・ロック・ルソーのそれぞれの展開した“自然レベルまで分解した人間”についてもわかりやすく書かれてる。政治がその時代の制約を受けているとはいえ、彼らの展開する論理というのはやっぱり興味深いものがある。決して未開の人々が遅れてるだとか軽蔑視することじゃないんだけど、どうして芸術だとか認識だとか科学、学問が真っ先に発達する場所がヨーロッパなんだろうって毎回思ってる。いや、そもそもそれが発達しようがしまいが関係ないのかもしれない。今自分が自覚している世界自体が西洋中心的なものであって、その視
Posted by ブクログ
ホッブス、ロック、ルソーなど、高校の政治・経済に登場する人々の思想を当時の社会事情を踏まえながら話が進んでいくため、政治・経済を学んでいる高校生にもおすすめ。
政治思想は当時の社会状況より生まれる、とのことだが、この本の内容も学生運動が激しかった昭和40年代前後の社会状況から生まれているように感じた。(「結び」pp.171-172.)
この部分等において、(出ない出版物など無いのであろうが...)著者の政治的態度が若干出ていたのが個人的にはマイナスだった。
また、「結び 3 批判の精神」にある、「批判の精神が...(中略)...自己をも吟味すること...」(p.198)は、杉田敦『政治的思考