作品一覧

  • 人喰い――ロックフェラー失踪事件

    人喰い――ロックフェラー失踪事件

    小説・文芸

    3.9
    1巻2,750円 (税込)
    全米を揺るがした未解決事件の真相に迫り 人類最大のタブーに挑む衝撃のノンフィクション! 1961年、大財閥の御曹司が消息を絶った。 首狩り族の棲む熱帯の地で。 この時点で、マイケルが「いかに」殺され、食べられたのかは、一連の調査や文献からすでにはっきりしていたのである。 著者ホフマンにとってどうしても解せなかったのは、「なぜ」マイケルが殺され、食べられなければならなかったのかということだった。(解説より) 解説:奥野克巳(文化人類学者)

ユーザーレビュー

  • 人喰い――ロックフェラー失踪事件

    Posted by ブクログ

    残酷さやグロテスクさを押し出すのではなく、カニバリズムにも論理があるということを丁寧に説明する作品。それ故に、自身と異なる道徳や倫理観を持つ異文化への畏れを強く感じた。

    読み終えてみて、コンチキ号漂流記から文化人類学者に憧れた無邪気な自分と、異国の地で世界の捉え方がどこまでも異なることを痛感する自分の両方に再会できた気がした。

    0
    2025年12月21日
  • 人喰い――ロックフェラー失踪事件

    Posted by ブクログ

    1961年11月20日、オランダ領ニューギニア沖(当時)でそれは
    起きた。オランダ人の人類学者とアメリカ人の青年が乗ったボートの
    エンジンに不具合が発生した。

    同乗していた現地案内人は助けを求める為に陸地を目指して
    泳いで行ってしまった。残されたふたりはボート内で待機して
    いたが、アメリカ人青年は案内人の帰還を待ち切れずに空き缶を
    浮き輪代わりにして海へ飛び込んだ。

    彼の姿が確認されたのはこれが最後であり、後々、衝撃的なニュース
    となって世界を駆け巡った。

    何故なら、行方不明になったアメリカ人青年は世界の大富豪である
    ロックフェラー一族の一員であったからだ。

    マイケル・ロックフェラー。父親はニューヨーク知事であり、後に
    はアメリカ副大統領となった。その後継者であるマイケルは、所謂
    「プリミティブ・アート」に魅せられ、その収集の為に現地を訪れて
    いた先での事故だった。

    ロックフェラー家の公式発表では海難事故とされているが、この
    行方不明事件には長らく不穏な噂が絶えなかった。

    マイケルが収集していたのは、ニューギニアの未開の地に暮らす
    アスマット族の人々の生活用品だったからだ。

    アスマット族は「首狩り族」と言われ、人喰いをすると言われる
    人々である。

    著者は当時の資料に当たり、現地の言葉を習得し、現地を訪問し、
    限られた期間ではあるがアスマット族と生活を共にして、何故、
    マイケルは「喰われたのか」を理解しようとする。

    アスマット族を理解しようとする著者には好感を持つ。それと同じ
    感情を、失踪当時のマイケルは持ち合わせていたのか?が気になる
    のだよね。

    アスマット族が神聖な儀式に使用していた柱さえ、僅かな対価で
    手に入れているのだから。そこに、恵まれた出自から来る「驕り」
    があったのではないだろうか。

    勿論、それだけがマイケルがアスマット族に殺害された理由には
    ならないだろう。マイケルが現地に赴いたタイミングも悪かった。

    他部族との戦いがあり、オランダ人宣教師との衝突もあったのだ
    から。

    カニバリズムはタブーである。よく、「人喰い」をテーマにした
    書籍などに書かれていることだが、それさえも文明に頼って生きる
    世界の人々の風習・文化の軽視なのではないかと思う。

    とか書くと「人の命をなんだと思っているんだ」と怒る人もいるの
    だろうな。

    「未開の部族」と呼ぶことさえ、文明世界の驕りだと思ってしまう
    のだよね。

    本書はそんなことまで考えさせてくれる良書である。

    0
    2023年02月10日
  • 人喰い――ロックフェラー失踪事件

    Posted by ブクログ

    真実は決して明かされることはないのだけれど、どこまで著者の希望するストーリーに添わずして、調査結果が真実に肉薄していくか。がルポの面白いとこなんですが、最後の50ページくらいで、「未開の地」の人々に継承される文化の伸びやかさに、マイケルの死の真相は砂に埋もれていくようにもう重要ではなくなっていった。腐海の底の砂に半ば埋まったナウシカのマスクのシーンみたいに、なんだか感動的だった。

    0
    2019年06月13日
  • 人喰い――ロックフェラー失踪事件

    Posted by ブクログ

    【暴虐なる神秘】ニューギニアの熱帯で美術品の収集に務めていたロックフェラー家の御曹司・マイケル。原始的な美に惹かれた彼を最終的に待ち受けていたものは、突然の死と、現地人に「喰われてしまう」という衝撃的な最期であった。1961年に起きた実際の事件を取材するとともに、その裏に横たわる文化人類学的な深淵を覗き込んだ作品です。。著者は、「ナショナル・ジオグラフィック・トラベラー」の編集者でもあるカール・ホフマン。訳者は、小説作品の翻訳も手がける古屋美登里。原題は、『Savage Harvest: A Tale of Cannibals, Colonialism and Michael Rockefeller's Tragic Quest for Primitive Art』。

    タイトルから「トンデモ本」を想像する方も多いかと思うのですが、実際は卓越したノンフィクション作品であると同時に、フィールドワークに基づく一級の文化人類学的な作品でもあるという類稀なる一冊。「え、この話はそっちに行くの?」という展開の連続に驚かされると同時に、その先に行き着いた光景に文字通り息を呑む読書体験を味わうことができるかと思います。

    〜ウィム・ファン・デ・ワールとマイケル・ロックフェラーのような人々は、アスマット文化を探し、集め、写真に撮り、アスマットと共に旅をし、村の深部まで行くことができた。互いの世界と、実際には見えない世界の次元の違いを知らないままで。〜

    ラストは全身から思わず力が抜けるほどの衝撃でした☆5つ

    0
    2019年05月13日
  • 人喰い――ロックフェラー失踪事件

    Posted by ブクログ

    1961年、首狩り族と噂される部族に殺され食べられた(!)と言われるロックフェラー家の子息、マイケル失踪の真実を追ったノンフィクション。題名に比して残酷な描写は少なく、むしろ著者が得た真相には、異文化コミュニケーションについて色々と考えさせられました。

    0
    2023年09月05日

新規会員限定 70%OFFクーポン 今すぐGET