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  • 古代日中関係史 倭の五王から遣唐使以降まで
    4.0
    1巻968円 (税込)
    607年、日本は隋の煬帝に「日出ずる処の天子」で名高い書状を送る。以後、対等の関係を築き、中国を大国とみなすことはなかった――。こうした通説は事実なのか。日本はアジア情勢を横目に、いかなる手段・方針・目的をもって中国と交渉したのか。本書は、倭の五王の時代から、5回の遣隋使、15回の遣唐使、さらには派遣後まで、500年間に及ぶ日中間の交渉の軌跡を実証的に、「常識」に疑問を呈しながら描く。

ユーザーレビュー

  • 古代日中関係史 倭の五王から遣唐使以降まで

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    666年の唐の高宗の封禅の儀式に参列した各国の使者たち、その中に日本の使者もいた。日本は3年前に白村江で唐と戦っており、封禅の儀式では唐の圧倒的なプレゼンスを見せつけられた。それをイントロとして始まる、古代日本が大陸とどのような交渉を行なっていたのかについての本。日本の対中国交渉を大きなアジア史の中に位置付け、仏教がアジアの国際政治に与えた影響も視座として取り入れており、面白いしさまざまな発見があった。
    中国の史書によると、421年から倭の五王による使者が江南の宋王朝に派遣された。皇帝の権威を背景に国内での権力強化を図る倭国王の目論見があった。これは宋王朝の権威を高めることにも繋がり、ウィンウ

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    2021年03月27日
  • 古代日中関係史 倭の五王から遣唐使以降まで

    Posted by ブクログ

    古代の日中関係について遣使自体はもちろんのこと、その背景となる政治事情や周辺国の動向なども踏まえた展開を明らかにする内容。古代中国を取り巻く仏教的文脈についての叙述が興味深かった。

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    2021年12月23日
  • 古代日中関係史 倭の五王から遣唐使以降まで

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    古代の日本と中国の「関係」を仏教文化などに注目しつつ通説を、切っていくような本で。昨今の中公新書歴史ものらしく骨太でかつ斬新。特に白眉は遣隋使を対等外交でなく、やはり朝貢に近いものであったとする点である。このあたりについてはやはりまだ多くの論者が出てきてほしい部分であるが、確かに筆者の見解に従えばスムーズに関係史を理解できそうである。それにしても、分裂期の中国史は殺伐として混乱を極めているなあ。仏教が大事にされていく背景としてはとても重要な側面だと思う。
     仏教の思想的な面がどのように消化されていたのかは疑問が残るが、それはまたほかの本をあたるとしよう。
     以下、勉強になったポイント。
    ・19

    0
    2019年05月02日
  • 古代日中関係史 倭の五王から遣唐使以降まで

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    <目次>
    第1章  倭の五王の時代~「治天下天王」の中国南朝交渉
    第2章  遣隋使の派遣~「菩薩天子」への朝貢
    第3章  遣唐使の一五回~一代一度、朝貢の実態
    第4章  巡礼僧、海商の時代~10世紀、唐滅亡後

    <内容>
    思った内容ではなかったが、まずまず読めた。割と事実が淡々と語られる。もう少し突っ込んで書いてほしかった。

    0
    2019年04月18日

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