震災直後の話ばかりを読むと、あらためて津波被害のすさまじさを実感する一方で、気持ちは滅入ってくるばかりなので、そろそろ復興の話を読みたいと思って読んでみた。結果、いろいろ学びがあり、かつ心温まったので正解だったなと思う。
この本の最後のほうにも「なぜ震災後に多くのものづくりプロジェクトが始まったのか
...続きを読む」が書かれているが、他の本もいろいろ読むと、やはり避難生活でやることがないという状況が人を駄目にするからだということなんだろう。本書の記載を借りれば「ものづくりのもつ作業療法的な側面」である。かつ、「物理的な理由」ということで大きな機械等が必要ない手作りモノに行き着いたということなんだろう。
本書には多くは語られないが、これを精神的支柱的なコミュニティ形成とするのか、しっかり稼ぐためのビジネスとするのかは大きな課題だと思う。どの団体だったか忘れたが、その課題を乗り切るために「団体を2つに分けた」という道をとったものもあった。手作りということはそれで稼ごうと思えばかなりの金額で売ることになるので(その好例が気仙沼ニッティングなのだろう)それはそれで難しい。
それから、この感覚はリタイアしたサラリーマンに当てはめられないものかと思った。手持ち無沙汰になったリタイア層に、そこまで稼げるわけではないがよい時間つぶし&小遣い稼ぎになりそう。なかなかそういう動きが生まれないのは、男女の違いなのだろうか。