ドニー・アイカーの作品一覧
「ドニー・アイカー」の「死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
「ドニー・アイカー」の「死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
Posted by ブクログ
〈雪崩、吹雪、殺人、放射線被曝、脱獄囚の攻撃、衝撃波または爆発によるショック死、放射性廃棄物による死、UFO、宇宙人、狂暴な熊、異常な冬な竜巻などなど。強烈な密造酒を飲んで、ただちに失明したせいだという説まである。(中略)自称懐疑主義者ですら、この複雑な謎を解明して科学的に説明しようとして、陰謀論や偽情報の網の目にからめとられている。〉
一九五九年初めの冬、ウラル工科大学の学生とOBによって作られた雪山登山のグループが、出発して十日後の夜に、〈なにかが起こって〉メンバー全員がテントを飛び出し、十キロ半ほど離れた場所でほとんどが服も着ずに異様な状態で死んでいた。リーダーの名前を取って、今では公式に、〈ディアトロフ峠〉とも呼ばれている場所。あそこで、あの日、何が起こったのかを追っていくノンフィクションです。
数多の陰謀論まで飛び出る事件を調べ直す著者が、丁寧に様々な可能性を排除していきながら、もっとも可能性が高いと思われる考えにたどり着くまでが描かれています。超常現象の可能性を排除する、という姿勢を取りながらも、それを選ぶのはすべてを検討したうえで一番最後だ、と完全に否定はしていないところに真摯さを強く感じました。
Posted by ブクログ
やはり映画作家だからなのか、構成がとてもうまくてパーティーの行程を追体験するような感覚になる。資料写真も多く、彼らの人となりの描写も詳細で、アルバムを見ながら話を聞いているよう。
パーティの行程と当時の捜索の様子と現代の調査が入れ替わり立ち替わり語られていく。著者の生活や、アメリカンジョークというか、ふきんし…陽気さが滲むので、凄惨さの割には暗く沈み込まない。
結末は冒頭に記されているのだが、旅は始まりから不穏。大学生の中に大人が闖入。何と言っても放射性物質の検出が否が応でも国家的な背景を感じさせる。おまけに多数の光球の目撃情報、現地の少数民族、不可解な軍の態度。怪しみだしたらどうとでも言えてしまう。確かなのは9人の若者が無惨な亡くなり方をしていたという事実だけ。
陰謀論からムー的推理からあらゆる推測が産まれていたにも関わらず、彼らの行程を季節を合わせて実際になぞった人はアメリカ人であるドニーだけだった。これが一番偉いと思う。産まれたばかりの息子を置いていってはいるが。
結果と憶測ばかりの情報から真実を取り出す篩は、現場。『サガレン』でも感じた感動をまた得られて嬉しい。現代でなければ分からなかった犯人。自然の脅威を改めて感じた。
極限状態での正体不明の轟音と苦痛。どんなにか恐ろしかっただろう。図らずもイヴァノフの「未知の不可抗力」という表現がこの事故を最もよく表していた。分からないなりに見抜いていたのはさすが捜査官の眼だと思う。