経営コンサルタントによる、エンゲージメントの重要性について述べた本。エンゲージメント(仕事への熱意、自発的な貢献意欲)の重要性を説き、その促進の方法と成功例を挙げている。なるほどと思わせる記述は多かったものの、本全体として参考となった核心部分は少なく、全体的に冗長・散発的で成功例も特別な感じはなかっ
...続きを読むた。もう少し論理的、学術的にまとめられていれば、より説得力が増したと思う。
「会社とは、そこに関わる人たちが幸せになるための仕組み」p2
「現在の「働き方改革」には、より本質的に大切な要素が抜け落ちています。そのために日本経済をさらなる低迷に陥れてしまうリスクさえあります。その要素こそが、欧米の組織を中心に、重要な経営指標の1つとして注目を集めている「エンゲージメント」という概念です」p4
「労働時間の抑制は本質的な解決にはならないのです。むしろ、一部のエンゲージメントの高いビジネスリーダー層にまで長時間労働是正を押し付けたり、さらには70年も昔に制定された労基法の枠にはめたりすることは、生産性の向上どころか、日本経済をさらに低迷させるリスクさえあるように思えてなりません」p4
「(日経記事(2017.5.26))(米ギャラップ社調査結果)日本は「熱意あふれる社員」の割合が6%しかなく、米国の32%と比べて大幅に低く、調査した139か国中132位と最下位クラスだった。「周囲に不満をまき散らす無気力な社員」の割合は24%、「やる気のない社員」は70%に達した」p16
「(エンゲージメントの高い企業)スターバックスは採用に困ることがないと言われています。エンゲージメントの高さで有名なのがディズニーです」p36
「個人が自発的な貢献意欲によって仕事に打ち込んでいるのだとしたら、労働時間が長くても大きな問題ではないでしょう。「自発的な貢献意欲」であるエンゲージメントがあるかどうかという視点で見れば、その職場の何が問題なのかがわかりやすくなります」p45
「企業のウェブサイトには何某かの「ビジョン」は書かれていますが、従業員一人ひとりが思い入れを持てるものとして浸透していない、という会社が多いのではないでしょうか」p81
「(創業の原点「アスリートのチームのように、全員が本気でチームの夢を追いかけられる、そんな理想の組織を作ってみたい」)まさに「情熱大陸」や「プロフェッショナル」で特集されるような人たちです。彼らは本気で夢や目標に向かって仲間と共に切磋琢磨しながら日々を過ごしている。ではなぜビジネスという世界においては、彼らのように本気で夢や目標に向かって切磋琢磨しているようなチームが見つからないのか、なぜ出世や肩書、給与などばかりに関心が向けられているのか」p148
「野球でホームランをたくさん打てる人が、監督も上手にできるとは限りません」p176
「(エンゲージメントを高めるために必要な資質)①ビジョナリーであること ②深い対話ができるコミュニケーション力 ③人間関係・信頼関係を築く力」p192