大橋良介の作品一覧
「大橋良介」の「感性の精神現象学 ヘーゲルと悲の現象論」「京都学派と日本海軍」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「大橋良介」の「感性の精神現象学 ヘーゲルと悲の現象論」「京都学派と日本海軍」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
世阿弥と利休、ここでの「と」はただ並べたてるためのものでなく、芸道と権力の矛盾的共生を生きた2人を「と」で繋いで浮上させる試みだと。著者が西洋哲学の研究者なので視点が面白いし、ハイデッガーが能に興味を持っていたのは知らんかった。
南方録は偽書説が定着したものと思っていたらそうでもないらしい。熊倉先生も立花実山が編集はしたけど創作したものという立場ではないようだ。世阿弥と違って利休は茶道論を残さなかったが、利休の言行録である南方録を用いて議論している。
⇨2025.3.19追記 熊倉先生の別の著作を読み返したら創作したものとしていた。古い本によったのもあるだろうが、筆者の議論の構成を成り立たせる
Posted by ブクログ
この書は「権力者の美・芸と、求道者のそれらとの矛盾・乖離の結果が、世阿弥・利休にもたらされた刑罰」とする。現実はどうあれ、美と芸のありすがたからくる解釈としては正しいのだと思う。
義満・義教・信長・秀吉、それぞれ審美眼を持っていた。よって世阿弥・利休は栄華を極めた。しかし権力者と同じ審美を受け入れことはどうしてもできず、必然的に栄枯盛衰は避けられない。賜った刑罰にもごく自然に受け入れる彼らを見るに、これはそういう物語だったのかなと。
・「芸道と権力の矛盾的共生」を生き
・弛緩と緊張の相半ばする時代と人生の只中で、能楽と茶の湯という芸道をして成らしめ
・そして、衝突
との文脈と理解した。俗な背景
Posted by ブクログ
能と茶という、芸道の世界でそれぞれ深い精神性を示した世阿弥と利休をとりあげ、彼らが同時代の権力とどのように切り結びながら生きたのかということを論じている本です。
著者は、世阿弥と足利義教、利休と信長・秀吉の関係に注目し、芸道と権力の「共生」のありかたについて考察をおこなっています。そのさい、たんに世阿弥と利休、義教と信長・秀吉を、それぞれ芸道と権力の代表者としてあつかうのではなく、権力者の側にも芸道についての深い理解があり、反対に世阿弥と利休にも権力に近づきその影響力の圏内にみずからの活動の場をもつことをいとわなかったと論じられます。
このような関係を、「反共生」をふくんだ「共生」として考