治療家・野口晴哉氏の残した名言を核に、著者のカラダ観を綴ったもの。三枝さんの著書すべてに共通することだが、知っていると得する情報がいくつか得られる。今回もそれらを抜粋すると、
●人間は縦長で足先の血液を頭頂まで持ち上げる循環機能を用いて生きているため、重力には弱い構造になっている。地球表面の重力は
...続きを読む1Gであるが、これが3Gになると人間は気持ち悪くなり、5Gで気絶し、これが長ければ簡単に死んでしまう。脊椎動物はすべて5Gでは生存できなくなる。ちなみに細菌類は40万Gでも生きられるので、丈夫さにおいては勝負にならない。高層ビルから飛び降りても細菌は死なない。
仮に寝なくても、脚を伸ばして上体を起こし、頭と脚の高低差を1m以内にしておくだけでも血液循環は大幅に改善される。立ちっぱなしの状態は寿命を縮める。
●電力会社とガス管を設ける建築業者の思惑が一致し、オール電化が進んだが、健康面においては未知数である。IH調理器でしゃぶしゃぶをしても殆どアクがでない。すなわち肉の毒が外に出ないで内にこもる。あこぎなしゃぶしゃぶ屋なら、安い肉を使ってIHで調理して、アクが出ないのは良い肉だからと言いくるめることができるだろう。
●冷たいものを飲む極意としては常温で保存しておいて、氷を入れたコップに注いで飲む。これだと飲み物そのものを冷やして飲むほどには冷えの影響を受けない。
●野口整体でいう禁点とは、みぞおちの指2本下に、米粒半分位の硬結ができたとき、人は4日以内に死ぬ現象を教えるサイン。
●宮脇昭 潜在自然植生 森というのは高木だけでできているのではなく、ドイツ語では森の下に森があるという。高木、亜高木、低木、下草がひしめき合い、競争し、我慢し、共生することで成り立っている。いわば、長屋で共生している姿こそが、森であり、人間も含めた生物の基本である。
などのエピソードが印象に残った。マクロを理解し、独自のカラダ観を持って活動する著者には、親近感を感じるとともに尊敬の念を抱いている。今回の著書を読み終え、その思いが一層強くなった。