作品一覧

  • ヤマケイ文庫 未完の巡礼 冒険者たちへのオマージュ
    4.0
    1970年代から80年代にかけて活躍した著名な登山家や冒険家、植村直己、長谷川恒男、星野道夫、山田昇、河野兵市、小西政継――。 世界的に知られた彼ら6人の事績を、『山と溪谷』元編集長が現地を訪ねて綴った交流の記録である。 すでに揺るぎない実績をもち、多くの著書をもつ彼らであるが、実際にその足跡をたどる旅をからめることで、亡くなった当時と現在とのつながり、継続性に重点をおいた。 世界的な極地冒険家・植村直己は、グリーンランド・シオラパルクへの旅を。 アルプスとヒマラヤに数々の記録を残した登山家・長谷川恒男は、カラコルム・フンザへの旅を。 動物写真家・星野道夫は、アラスカ・シシュマレフへの旅を。 世界最強と言われた登山家・山田昇は、アラスカ・マッキンリーへの旅を。 北極点に単独徒歩到達した冒険家・河野兵市は、愛媛県・瀬戸町への旅を。 そして登山を世界レベルに押し上げた登山家・小西政継は、ネパール・マナスルBCへの旅をトレースする。 文庫版では写真も多数掲載し、解説をノンフィクション作家の角幡唯介氏が執筆。 本書で取り上げた6人のうち、4人までが43歳で亡くなっている。 全員が志半ばでの遭難であり、残された遺族たちの想いも含めて、彼らの登山や冒険が、われわれにその時代、その行為とはなんであったのか問いかけてくる。 ■内容 はじめに 植村直己 時代を超えた冒険家 長谷川恒男 見果てぬ夢 星野道夫 生命へのまなざし 山田 昇 十四座の壁 河野兵市 リーチングホーム 小西政継 優しさの代償 あとがき 解説 時代と人間への挽歌 角幡唯介 ■著者について 神長 幹雄(かみなが・みきお) 1950年、東京生まれ。 1975年、信州大学人文学部卒業。在学中休学して、2年弱、アメリカに滞在。 山と溪谷社入社後は『山と溪谷』編集長、出版部長などを歴任し、山岳雑誌、山岳書を編集するかたわら、多くの登山家たちと親交を結ぶ。 海外取材の経験も豊富で、個人的にも60カ国以上を旅する。 主な著書に『豊饒のとき』(1990年、私家版)『運命の雪稜』(2000年、山と溪谷社)『未完の巡礼』(2018年、山と溪谷社)など。共著に『日本人とエベレスト』(2022年、山と溪谷社)があり、第12回「梅棹忠夫・山と探検文学賞」を受賞。 近著に編著『山は輝いていた ―登る表現者たち13人の断章』(2023年、新潮文庫)がある。 日本山岳会会員。
  • 未完の巡礼 -冒険者たちへのオマージュ
    3.8
    1980年代から90年代の半ばにかけて、極地の冒険やヒマラヤ登山が隆盛を極めたころ、 何人もの登山家や冒険家たちが突然の事故で命を失ってしまった。 そうしたなかで直接会って話を聞くことができた、忘れがたい冒険者たちがいる。 植村直己、長谷川恒男、星野道夫、山田昇、河野兵市、小西政継の6人の人たちだ。 生前の交流や山と溪谷社との関わりなどを中心に、6人の事績を顕彰して綴られた邂逅の記録である。 時代が経過するなかで、現地を訪ねてその足跡を辿ってみる――。 世界的な極地冒険家・植村直己は、グリーンランド、シオラパルクへの旅を、 アルプスやヒマラヤで記録を残した、登山家・長谷川恒男は、カラコルム、フンザへの旅を、 動物写真家・星野道夫は、アラスカ、シシュマレフへの旅を、 世界最強と言われた登山家・山田昇は、アラスカ、マッキンリーへの旅を、 北極点に単独徒歩到達した冒険家・河野兵市は、故郷である愛媛県・瀬戸町への旅を、 そして登山を世界レベルに主動した登山家・小西政継は、ネパール、マナスルBCへの旅を トレースする。 それは、「巡礼」にも似た旅だった。 偶然ではあろうが、6人のうち4人までが43歳で亡くなっている。 彼らが活躍できた時代とはどういう時代だったのか、 志半ばでヒマラヤや極地に逝った、 6人の事績を現地に訪ねて綴られた彼らとの交流の記録である。

ユーザーレビュー

  • 未完の巡礼 -冒険者たちへのオマージュ

    Posted by ブクログ

    元「山と渓谷」の編集長が登山家、冒険家6人の事績を現地を訪ねて綴った交流の記録。
    一冊の本としてもその時の日記としても、とても貴重なものだと感じます。
    生い立ちや会った時の印象、亡くなった場所への訪問や現地の人へのインタビュー、冒険家たちの家族とのやり取りなど、編集者と冒険家だけの関係では無かったことが伺えます。
    冒険家何名かの本は読ませてもらっていますが、冒険家の当時の話や亡くなった後の話など、物語の背景を深く見ることが出来ました。
    改めて、ノンフィクションの美しさを感じることの出来た一冊です。

    0
    2025年02月02日
  • ヤマケイ文庫 未完の巡礼 冒険者たちへのオマージュ

    Posted by ブクログ

    神長幹雄『未完の巡礼 冒険者たちへのオマージュ』ヤマケイ文庫。

    1970年代から1980年代にかけて活躍した著名な登山家や冒険家、植村直己、長谷川恒男、星野道夫、山田昇、河野兵市、小西政継という世界的に知られた6人の事績を『山と溪谷』元編集長が現地を訪ねて綴った6つの旅の記録。

    バブルが崩壊し、阪神淡路大震災、オウム真理教事件、東日本大震災、未曾有の少子化と異常な物価高、能登半島地震と時代は次第に崩壊へと向かっているようだ。

    確かに1970年代から1980年代はまだ心にもゆとりがあり、輝かしい未来が見えていた。だからこそ、多くの登山家や冒険家たちは様々な困難に挑むことが出来たのかも知れな

    0
    2024年01月11日
  • 未完の巡礼 -冒険者たちへのオマージュ

    Posted by ブクログ

    冒険者たちを見つめ続けた編集者による一冊。植村直己と長谷川恒男以外は知らなかったんだけど、その知名度の反面、読み物として面白かったのはこの2人以外の章だった。なんかこの2人は目玉として内容薄めなのに盛り込んだのかなーとか思ったり。一番面白かったのはチャリダーから高所登山までした、河野兵市の章かな。これを読みながら植村直己の手記も読んでたので、ラストの小西政継の章も面白く読めた。しかしみんな、山で死にますね…

    0
    2018年07月29日
  • 未完の巡礼 -冒険者たちへのオマージュ

    Posted by ブクログ

    植村直己さんが、熊本に公演にいらっしゃた時、たまたま私が所属する山の会が関係していて、エレベーターでご一緒する機会があった。私より、一回り小さい方で驚いた。この方が、多くの困難な山を極め、極北を巡った方かと。その普通の佇まい。参りました…。

    0
    2024年08月12日

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