柴田聡の一覧
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ユーザーレビュー
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中国の金融の現状についてすっきりかつ平易にまとめている本。日中金融協力への著者の思いが感じられるのも、良い点かと思う。コストパフォーマンスに優れた一冊。
Posted by ブクログ
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本書に一貫して書かれている通り、金融分野において日本と中国との関わり合いはまだまだ薄い。中国の資本市場が完全に開放されていない環境下、日本の金融機関が中国にある資産に目を向けることは少ないし、実際アクセスしようとしても妨げになるものがたくさんある。
本書では、それらをいかにして乗り越えていくのか
...続きを読む、そのマインドを転換していこうという主張がなされている。
自分自身、対外証券投資の業務の中で、実際に中国への投資の入口に立つインフラの第一歩を整えた経験がある。確かに、中国側の対応には政治的な意思が感じられるところもある。そういうところでは、まだまだフルアクセスとはいかないのが現状だろう。ただ、このままでよいとは思わない。ある時振り返った時、あの時投資を始めておけばよかったという恨み節は、いつも必ず耳にするのである。
Posted by ブクログ
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リーマン・ショック以後習近平成立時までの経済政策をまとめた本。政治体制や政府内経済主管庁などを丁寧に紹介してくれており、中国経済の置かれた状況だけでなく、中央地方関係など政治体制の面での経済政策などもカバーされており読むに値する。本書後半で、著者の10年先の簡単な予測も試みており、巷で言われるような
...続きを読む人口減少などがもたらすインパクトは10年以上先だとして、習近平の2期は中国経済は引きつづき力強さを持ち続けるとした論点は圧巻。
Posted by ブクログ
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本書を読んで、「中国」はもはや内部が見えない謎の国ではなくなったと思えた。
中国は「社会主義市場経済」という「特色ある社会主義」をかかげ、「共産党一頭支配」という日本から見ても異質な政治体制をとっているが、かつては見えなかったその内容がすでに既知のものとなり、研究されつつあることが本書でよくわか
...続きを読むる。
「政経一体システム」という中国独特の体制は、今までの世界の歴史の中で、ほかにあったのだろうか。
本書では「中国の政経一体システムの最大の強みはスピードと実行力にある」とし、「激しい混乱が発生する経済危機への対応において特に効果を発揮した」という。
確かに2008年のリーマン危機以来の経済危機への機動的対応などを読むと、実に素早くかつダイナミックである。
また、「共産党」と「政府」との関係や「党のヒエラルヒー」の構造には「政治体制としての安定性と競争的な人材育生システムを両立する手法を、独自のスタイルで確立しているのが中国式」であるという。
これを読んで思わず「日本の政治」と比較してしまった。「財政」や「年金」、「政府」と「国会」、「選挙制度」などに多くの問題点を抱えながら、一向に改革が進まない日本。「2世議員」ばかりで劣化しているとしか思えない日本の「政治家」。
民主主義が確立されている日本は、政治体制として一党独裁の中国よりも優れているはずではなかったのかと、自問してしまった。
本書で、明らかにされている中国の「政経一体システム」は、すくなくとも危機対応において日本よりも優れているようにさえ思えた。
「国家指導者人事」で中国の政治体制を考察し、「経済政策」で中国の経済を明らかにしているが、GDPの比較として「2017年時点で米国は約19.7兆ドル、中国は20.3兆ドルとなり米中逆転がおこる」という。
日本は既にGDPで中国に抜かれているが、数年後には、日本は、ますます巨大になる中国と対峙しなくてはならないのかと、暗鬱とした思いで本書を読んだ。
本書では「日本は中国なしではやっていけないし、中国も日本なしではやっていけない構造になっている」とはいうものの、戦略的対応については「三国志」の国である中国の方がはるかに優れているように思える。
どうも、本書で予想される今後の世界は日本にとって楽観を許されない世界になるようだ。
本書は、中国の現状をよく知ることができる良書であるが、その内容は決して甘いものではない。
しかし、中国をよく知る日本人はみな「親中派」になるように思えるが、そうならざるを得ないということなのだろうか。
日本は、好き嫌いは別として中国と共に生きていかなければならないのだろうとは思うが、未来は苦難の道となりそうであると思えた。
Posted by ブクログ
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中国経済は根拠のない脅威論あるいは悲観論が跋扈しやすいですが、この本に関しては、ひたすら定点的に公平に中国経済を紹介している好著です
新書というのは、えてして一般向けの適当な内容が多いですが、この本に関しては全然そういう事はなく、実績と経験、データの読み込みに担保されています
Posted by ブクログ
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