一気に読んだ。今の山田拓さんや美ら地球のことはおよそ知っていても、今に至る思いやプロセス(とくに苦労話)はあまり知らず、本書で感じられてよかった。
ひとつひとつの思い(課題認識)が素朴であり、実直だとも発見したし、常に謙虚さもあるし、マーケティングの基本的なフレームワーク(3Cとか)も踏まえている
...続きを読むのである。ウェブサイトのPV分析の意義の話も印象的。「パッション」に加えて、無視できない、そうした「基本に忠実」な姿勢はコンサル勤務でも培われたと思われる。
一方、はじめから思いと手法のみで突き進めることができたわけではなく、スタート時は政策(自治体の施策、要は補助金とか)に頼った部分も多分にあるようだし、あるいはファーストカスタマー獲得のため高山の歴史的町並みまでハイエースでいったというのも大事な言及。
手法に関していえば「クール」さだけでない、「あの手この手」が付き物なのだ。
こんなふうに「両面性」というのがあふれている本書。田舎暮らしの魅力と大変さ、を語る章にも象徴的に表れている。
まさに「作り方」的なノウハウ、大事なことが多く語られていて、それなのに軽快に読み進められて、さらになんだか元気になれる一冊。良書!