恐らく行動経済学について論じた内容をまとめた最初の書籍の日本語版。
後半の金融部分はあまり馴染みがないためよく理解はできなかったが、前半部分は非常に面白かった。
例えば、人々が損失に敏感な例として
インフレ率が13%で給料5%ダウン か
インフレ率が0%で給料5%アップ かを選ばせるような選
...続きを読む択をさせる場合、実質的な賃金は前者の方がアップしているのだが、額面上減っているため後者の方が好まれるという結果になったらしい。(具体的な数値はあやふやだが)
また、オークション形式で得たもの(油田用の土地など)は実際の評価額の最高額で買い取らざるを得ないことの裏返しであり、決まって損をするという勝者の呪い(Winner's curse)については、本書の英題にもある通りで詳しく書かれていたように思う。
前半部分は我々が選択をするときにどんな不合理性を持っているかを教えてくれるので日常生活でも生きてきそうな予感。