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  • おクジラさま ふたつの正義の物語
    4.2
    大ヒットドキュメンタリー映画『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』の佐々木芽生監督が、同名映画の取材をもとに書き下ろしたノンフィクション。和歌山県太地町。映画『ザ・コーヴ』がアカデミー賞を受賞して以来、「くじらの町」として400年の歴史を持つこの漁師町は、シーシェパードを中心とした世界中の活動家たちから集中非難の的に。歴史・宗教・イデオロギー、自分と相容れない他者との共存は果たして可能なのか。小さな町に押し寄せた、クジラを巡る大きな衝突。

ユーザーレビュー

  • おクジラさま ふたつの正義の物語

    Posted by ブクログ

    【動機】
    ・捕鯨にまつわる対立の歴史・概要を知りたくて

    【感想・思ったこと】
    ・めちゃくちゃ面白い!!!!!
    ・クジラの話にとどまらない。
    - 捕鯨にまつわる問題と対立の概要と本質が掴める
    - 鯨を軸に見る、歴史・宗教・価値観・メディア論
    - なぜ人は争うのか?考えさせられる
    ---
    ・「強き者」は「弱き者」の、声に耳を傾ける責任がある。
    ・「弱き者」は「強き者」に、声をあげる責任がある。
    ・声を上げなければ対話は不可能。特に相手が強者の場合なおさら。
    ・自分の意見を相手に伝える重要性と相手の意見に耳を傾ける重要性。
    ・情報は発信しなければ伝わらない。
    ・情報発信・メディアの威力。感情

    0
    2023年08月18日
  • おクジラさま ふたつの正義の物語

    Posted by ブクログ

    歴史や伝統、食文化はイデオロギーやアイデンティティにも繋がる。
    イデオロギーやアイデンティティの対立。ネット上で見受けられる論争、最近では『温泉むすめ』であるとか、に余りにも似ている構図。
    感情は無視できないが、感情だけでは暴走してしまうこともありえる。理論と考察は欠かせない。どちらが正義か、どちらが正しいかを簡単に決めつけるのではなく、考え続けることが重要。
    映画化もされ、中立的な視点と立場で和歌山県太地町の問題が書かれている。

    0
    2021年12月05日
  • おクジラさま ふたつの正義の物語

    Posted by ブクログ

    いや、これは大変な力作にして名著。感情的になることなく、個人の偏見や思い込みに走ることなく、反捕鯨・反イルカ漁と漁民や反捕鯨と対する側の状況、主張、活動を大変に公平に取材・考察され、各テーマごとにドキュメンタリー的にまとめられていて、この問題についての理解に大変に勉強になった。
    捕鯨問題は異文化理解の難しさ…そこに政治的思惑や特定の思想を旗印にしたプロパガンダ(さらにそれがまた真摯なものから実はビジネス…金儲けのためだったりと玉石混交)が入り込んで来ると尚更問題は複雑骨折化…の典型例にして縮図。海外に住み、国際ビジネスに関わる者として大変に考えさせられます。

    0
    2019年07月21日
  • おクジラさま ふたつの正義の物語

    Posted by ブクログ

     奇妙な題名と表紙のイラストが、なんとなくユーモラスな雰囲気を醸し出しているが、いたって真面目な、そして極めて有益な本である。イルカを含む捕鯨について日本が強く非難されているのは周知のことだが、捕鯨を糾弾する側も、維持しようとする側も、それぞれの立場で鯨を大切にしていることが、本書を読むとよくわかる。
     捕鯨に反対する側は、鯨、イルカをその知能の高さ、希少性から別格動物とし、特別扱いを求める。一方、日本、特に映画「ザ・コーブ」で取り上げられた和歌山県大地町にとって、鯨、イルカは、それなくしては生活できないと漁師が信じる特別な存在である。双方にとって、鯨は単なる動物ではなく、まさに「おクジラさま

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    2018年06月07日
  • おクジラさま ふたつの正義の物語

    Posted by ブクログ

    本当に中立的なドキュメントとは何なのか、よく吟味された本。色々と怒りや許しがたい感情が込み上げて来たりもするが、それらも取り上げつつも個人の意見は表明せず、読み手の判断に預ける姿勢は素晴らしい。

    0
    2017年10月18日

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