中島かおりの作品一覧
「中島かおり」の「漂流女子 にんしんSOS東京の相談現場から」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「中島かおり」の「漂流女子 にんしんSOS東京の相談現場から」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
出会い系SNSには悪い大人(主に男性)が紛れ込んでいる。
多感な十代、中には小学生を食い物にしようとしている者たちが。
一般的には、家族がそういった大人たちから子供のみを守る砦になるはずだが、「優しい大人」に縋らざるを得ない子供たちも、確かに存在する。
そして彼女たちは望まぬ妊娠、中絶を繰り返し、さらに苦しい境遇に置かれてしまうのだ。
そんな少女たちに対して、自己責任、の一言で片付けて良いものだろうか。
妊娠させた大人、男性たちは何の責任も負わずに逃げおおせるのに。
少女の言葉、
「死にたいけど死ねないから、誰かに殺してほしいと思うの」
「これで1人で死ななくてもすむって思ったんだよね」
どうしてこの言葉を無視などできるだろう!
腹がたつのは既婚者との間に子供を作ってしまったケースだ。
確かに不倫は「悪いこと」だ。
しかし片方だけが悪いわけではない。
妊娠した女性に対し、「君の将来のことを考えたら、産まないほうがいいんじゃない?」(122頁)とは!
まるで他人事で、自分には非はなく、勝手に女が子供を宿しちまった、とでも?
机に拳を叩きつけたくなる。
中絶は心も体も傷つくのだ、どんなに心は割り切ったとしても。
中絶後後遺症症候群という症状を甘くみるべきではない。
人には事情がある。
その事情は、幼さゆえの無知や見通しの甘さであったり、家族に恵まれなかったり、障害があったり、実に様々だ。
それをまとめて自己責任と言ってのけることは容易いが、それで何かが解決すると言うのだろうか?
日本には子供は社会で育てるもの、と言う世界標準の考えから著しく遅れている。
家族の形は様々なのに、ありもしない「普通」を目指して皆が苦しんでいる。
多様性がこれだけ叫ばれている今、転換すべきは「普通」の概念なのだ。
Posted by ブクログ
思いがけず妊娠をし、相談先を探しながら孤立している「漂流女子」。
どのような背景があるにしろ、彼女たちの戸惑いを受け止め、その人自身が納得して道を選択できるように、様々な関係機関と連携しサポートをする相談支援窓口、にんしんSOS東京さんの活動がわかる本。
助産師として働いていて、身近におられる方々の背景が慮れるとても興味深い内容だった。
前の職場で、飛び込み分娩でポロンと出産した女性が、「妊娠していることに気づかなかった」と主張し続け、子どもは乳児院へ入るという出来事があった。衝撃だった。親の身勝手に憤りを感じたが、それでも病院へ来ただけましだったのかもしれない、と今でこそ思う。
気になるのは、妊娠はひとりではできない。必ず相手がいるはずなのに、漂流するのは女子だけだという事実。中絶も、たった一人で痛みに耐えて帰っていく女性も多い。
ニュースで目にする、ひとりで陣痛に耐えて赤ちゃんを産んで、遺棄する少女の気持ちを考えると、涙が出てくる。それでも、幸せの象徴のように世間ではもてはやされている妊娠・出産だからこそ、そこに反する自分の状態に対して、誰にも言えない、と思ってしまう彼女たちの気持ちもわからなくもないのが悔しい。
そして、この本にも何度も出て来た「狭間」ということば。
19歳という年齢は制度の狭間に取り残される。18歳未満適用の児童福祉法からは漏れるが、未成年であるため親権者の同意なしには動けない。
また、警察も児童相談所も動けない、制度の「狭間」を担うにんしんSOSさんの活動には頭が下がる思いがした。
お役所仕事では支えきれない、狭間をぽろぽろとこぼれ落ちている少女たちがいる。誰にも相談できずに、匿名性だからこそようやく吐き出せる思い。「一緒に死にましょう」ではなく、「生きていく」ためのSOS。本当に気が遠くなるほど重みがあるけれど、素晴らしい活動。