ジレットの替刃モデルやグーグルの検索等、当初から練り込まれたビジネスモデルがあったわけではなかった。ビジネスモデルを持つことにより、「確証バイアス」「ヒューリスティクス」「経営破綻」「手段の目的化」「失敗のループ」の症状に陥ることが考えられる。そのため、ビジネスモデルコンテスト等が流行りつつあるが、
...続きを読むビジネスモデルを持つことに執着するのではなく、起業、すなわち経営することをライフスタイルとし、経営を続ける(成功していないだけで失敗していない状態を保つ)ことが重要である。
筆者は本書の最後に、成功者を産むことも大事だが、失敗社を出さないメカニズムの研究も必要であり、これにより多数の成功者が産み出されると持論を述べている。特にビジネスモデルがあり、かつ成功した事例については取り上げられることが多い一方で、ビジネスモデルがなく成功した事例やビジネスモデルの有無によらずに失敗した事例が取り上げられ研究されるべきということであろう。この最後の章ではスポーツにおける育成について述べられており、スポーツの科学化は進んでいるものの、起業における科学化はいつになるのやらと結ばれている。この研究及びその結果に今後日本が世界で勝ち残っていく活路があるのではないかと考える。