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ビジネスモデルを考えれば考えるほど,起業は失敗する可能性が高くなる?かつてない視点で大反響を巻き起こした「ビジネスモデル症候群」がついに完全書籍化。2度の起業経験を持ち,スタートアップのコンサルティングやメンタリングで活躍する著者が,これまでの常識を覆す視点から,スタートアップが失敗するメカニズムと対策を豊富な図解とともに解説します。
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Posted by ブクログ
なぜ、企業・新規事業に失敗してしまうのか?学びたい方に。 新規事業のマネジメント方法を考えたい方にもお勧め。 失敗の理由は、脳の『バイアス』にある。 正しく世の中を見えず、事実を認識できないので、自分のビジネスモデルに固執してしまうビジネスモデル症候群になってしまうのだ。
ぼくは起業家のメンターとして「あなたがまだ分かっていないこと/まだ確証が得られていないこと」に意識を向けるように問いを投げかける。要は「未知」について考えを促す。まさにそのような「起業家自身の思い込み(バイアス)と視野狭窄に対処すること」が本書の主題。 スタートアップ支援者(投資家、メンター、コン...続きを読むサルタント、官僚等)に推薦したい書物。起業家本人にはオススメしない。功利主義的な統計アプローチと、実存的一回性の違い。統計に基づいた医療と、患者の立場の違い。 ちなみに、ぼくはこういう助言をすることが多い: ・未認識課題の指摘:「こんな落とし穴が空いてると思うけど、もう認識していますか/リスクは評価済みですか?」 ・課題への対処法の例示:「その落とし穴をふさぐのであれば、これらの方法が有効かもしれませんよ」(普通の言葉で言えば、デザイン思考的な意味での「調査」や「評価」の手法に関する知識を提供するということ) 補足しておくと、「課題を認識しつつ、あえて無視する」という選択肢もある。時間は有限であり、あらゆるリスクを潰していくことはできないし、そんなのはスタートアップのやり方でもない(医療機器メーカーや霞ヶ関みたいなやり方だ)。そこで「リスクを評価し、リスクをとる」という考え方が出てくる。無視してよい課題は、最悪でもそれによって致命傷にならない課題だけ。つまりリスクが小さい課題だけ。 なんにせよ、いずれにせよ(無視するにせよ)、未認識課題がなるべくないように、あらゆる課題の可能性をできるだけ網羅的に想像して列挙しておくことが大事。その想像がぼくは得意。ある意味、パラノイア的・不安神経症的なパーソナリティの人には向いている精神活動だと思う。「これでもう十分だろうか?完璧だろうか?漏れはないだろうか?」というメンタリティが求められる作業なので。
ジレットの替刃モデルやグーグルの検索等、当初から練り込まれたビジネスモデルがあったわけではなかった。ビジネスモデルを持つことにより、「確証バイアス」「ヒューリスティクス」「経営破綻」「手段の目的化」「失敗のループ」の症状に陥ることが考えられる。そのため、ビジネスモデルコンテスト等が流行りつつあるが、...続きを読むビジネスモデルを持つことに執着するのではなく、起業、すなわち経営することをライフスタイルとし、経営を続ける(成功していないだけで失敗していない状態を保つ)ことが重要である。 筆者は本書の最後に、成功者を産むことも大事だが、失敗社を出さないメカニズムの研究も必要であり、これにより多数の成功者が産み出されると持論を述べている。特にビジネスモデルがあり、かつ成功した事例については取り上げられることが多い一方で、ビジネスモデルがなく成功した事例やビジネスモデルの有無によらずに失敗した事例が取り上げられ研究されるべきということであろう。この最後の章ではスポーツにおける育成について述べられており、スポーツの科学化は進んでいるものの、起業における科学化はいつになるのやらと結ばれている。この研究及びその結果に今後日本が世界で勝ち残っていく活路があるのではないかと考える。
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ビジネスモデル症候群 ~なぜ、スタートアップの失敗は繰り返されるのか?
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和波俊久
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