基本は戦史において技術が果たした役割と教訓といった内容の話である。
戦史と聞くとそれだけで古めかしくて退屈という印象を抱いていたが、戦史に関する記述は、あくまでも技術の果たした役割を語る上での最小限にとどめられており、退屈することなくスラスラ読めた。
また最初に、技術と戦場との関係を既存・新規で
...続きを読む4象限に分け、各象限における技術の使われ方を見ていくという形ですっきり見通しが示されており、その点も読みやすかった。
内容に特に不満はないが、あえて不満を述べるとすれば、導かれる技術に関する教訓がその節・章限りであり、最終的なまとめとそれに基づく洞察がないこと、及びタイトルにある「戦略」に関してあまり語られていないことぐらいか。
ただ、戦争と技術の関係を俯瞰的に理解出来るという点で本書は良書であり、不満というほどのものではない。