作品一覧

  • 哲学者ディオゲネス 世界市民の原像
    4.2
    1巻1,540円 (税込)
    ギリシアの枠を飛び越えた「犬哲学者」の実像 甕(かめ)の中に住まい、頭陀袋(ずたぶくろ)を下げ、襤褸(ぼろ)をまとって犬のようにアテナイの町をうろつき、教説を説いたシノペのディオゲネス。おびただしい数の逸話で知られる「犬哲学者」の思想とは、いったいどのようなものだったのか。アリストテレス的人間観や当時の伝統・習慣を全否定し、「世界市民」という新しい理念を唱導・実践した思想家の実像を探り出し、われわれ現代人の生き方を模索する。 「犬」と呼ばれたシノペのディオゲネス。ひとは彼についてどれほどのことを知っているだろうか。(略)昼日中にランプを灯してアテナイの雑踏を往来しつつ「わしは『人間』を探している」と言い放ったとか、なにかそういう類の奇抜な逸話が知られているだけではあるまいか。だが、知るべきはこの男の生き方、その根底にあった「世界市民」思想だ。――<「序章」より>
  • ゼノン 4つの逆理 アキレスはなぜ亀に追いつけないか
    3.3
    1巻1,320円 (税込)
    第1逆理「二分割」――動くものは、終点に達する前にその半分の地点に達しなければならないので、動かないとする。第2逆理「アキレス」――走ることの最も遅い者ですら最も速い者によって追いつかれない。第3逆理「矢」――動くものはつねに、今、等しいものに即してあるとすれば、動く矢は不動である。第4逆理「競技場」――半分の時間がその2倍に等しい。
  • パルメニデス 錯乱の女神の頭上を越えて
    値引きあり
    -
    1巻1,578円 (税込)
    「あるはある あらぬはあらぬ」――遺された断片を読み解き、哲学史上最大の謎に迫る、大家による哲学ミステリー! 紀元前五世紀前半に活躍したパルメニデスの詩的断片をめぐって後世になされた数多の解釈は、どれも道を踏み誤っている。遺されたテクストを丹念に読み直し、「あるもの」をめぐるすべての論証を「帰謬論法」として捉えてみれば、「あらぬものはあらぬ」と、否定に否定を重ねる道の彼方で、「あるもの」の本性に肉迫することができるだろう――。最新の考古学的発見をも参照しつつ、政治家・立法者でもあった哲学者の全貌を復元せんとする独創的な試みは、やがて誰も予想しなかった意外な結末へと辿り着く。古代哲学最大の難問を解き明かす、著者畢生の書! [目次] プロロゴス 第一章 海上を放浪する国 第二章 序歌 第三章 真理の道 第四章 思惑の道 第五章 二つのヘーローオン エピロゴス パルメニデス断片テクストならびに翻訳 注 参考文献 事項索引 人名索引

ユーザーレビュー

  • 哲学者ディオゲネス 世界市民の原像

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    古代ギリシャのミニマリストの印象だったが、托鉢者に近いかも
    自足や他人からの目の気にしなさはある程度現代でも受け入れやすいか?

    困窮ゆえに強いられた「犬」としての生活を次第に逆手にとり、人間社会からの外れ者として一定の支持を得る(が、表向きに仲良くしてくれる人はいない)
    史実ではなさそうだが、プラトンとのレスバは荘子の儒家や恵子とのレスバを思わせる
    晩年の奴隷化と解放への抵抗は、やはり犬生活はむしろ奴隷(教育係)生活よりキツかったのかな......と人間らしさも垣間見える

    本書で指摘される意外なソクラテスとの共通点でそちらも知りたくなる
    アリストテレスの正義論は少々腹が立つものの、当時の社

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    2025年02月23日
  • ゼノン 4つの逆理 アキレスはなぜ亀に追いつけないか

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    有名な「アキレスと亀」を始めとするゼノンのパラドクスを通して、時間とは?存在とは?という哲学の根本に迫っていく名著。ゼノンのパラドクスの解明をするのではなく、なぜゼノンがそのようなパラドクスを発案したかを考えることにより哲学を探求していく。読み応えがある。しかしながら、ゼノンのパラドクスのような明らかな詭弁としか思えないものが、未だに論理的に説明ができていないということを知って驚いた。あのバートランド・ラッセルでさえ説明ができないとは(正確には説明をしているが、説明になっていないとは)。。。。なかなか奥が深い。

    0
    2018年07月29日
  • 哲学者ディオゲネス 世界市民の原像

    Posted by ブクログ

    『古代ギリシアの思想』ですっかり虜になってしまった山川偉也先生渾身の一撃である。丹念な考証や、ときには軽妙な比喩を交えつつ一歩一歩着実に結論へと向かう確固たる文体は健在。ディオゲネス伝にも名の見えるアレクサンドロスとの対比から、彼の師でもあったアリストテレスの人間定義及び正義論を切り崩していく様はスリリングですらある。学術文庫とはいえ、専門書ではない一般書での、かように読み応えある思想分析は見事というほかない。あとは断腸の思いでカットせざるをえなかった「貨幣変造事件真相解明」部分の書籍化を切に願うばかり。

    0
    2013年04月20日
  • 哲学者ディオゲネス 世界市民の原像

    Posted by ブクログ

    樽の中で暮らし、街中で自慰をする。アレクサンドロス大王に「望みは何か?」と聞かれて「日陰に入るな」と返す。ヤバい偏屈なホームレスおじさんディオゲネス。キュニコス派(犬儒派)の代表で、文明社会の「偽善」や「虚飾」を徹底的に否定した。人間の尊厳とは、外部の価値に依存しない自己完結的な自由にあると。

    生理的な欲に対しては、眠る、排泄する、自慰をする。人前で自慰をしながら「腹が空いたら腹をこすってすむならどれほど楽か」と。食欲のみが他者を奪う。だが、いや故に、怠惰は他者の時間を奪うし、承認欲求は他者の権威を奪うし、実際には自慰だって他者との関係性を望みながらその成就を諦めた行為だから、自己完結とは、

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    2025年04月06日
  • ゼノン 4つの逆理 アキレスはなぜ亀に追いつけないか

    Posted by ブクログ

    ゼノンの4つの逆理
    微分法を当然のように思っていた私の頭にガッときた。
    方程式の外にあること
    動いている物は動いていない

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    2019年12月30日

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