本書は米国の『Choosing Wisely(賢く選ぼう)』キャンペーンに言及し、見直した方がいい医療が、医療を受ける側の立場として紹介してある。
『Choosing Wisely(賢く選ぼう)』は、米国の71の医学会が参加して、不必要な医療(行為)を基本的に5つずつ揚げ、無駄な医療の撲滅を目指した
...続きを読む医療キャンペーンxで、2013年までに既に50の学会が、合わせて250前後の医療行為に不必要を認定したと。米国のみならず、日本にもこういった活動が普及していくと思われる。というかそれを強く希望する。
本書では、本書では100の”受けたくない医療”が『Choosing Wisely』キャンペーンから紹介されているが、”"日本でその医療を受けると○○円”"といった日本の場面に置き換えて分かりやすく情報を紹介されているので、イメージが浮かびやすかった。
また、本書の主眼は、この個々の医療行為における注意喚起情報を挙げることではなく、医療を受ける側の人間が、如何に情報と選択に向き合うかということにあると思う。
その上で、米国で展開されている『Choosing Wisely』キャンペーンのようなものが、日本でも動き出すことを期待しているように読み取れる。
一般書で分かりやすく書かれているけども、医療に携わるスタッフも必見必読だと思う!
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【内容(「MARC」データベースより)】
世界に影響力を持つ米国のおよそ50の医学会が提唱する「絶対に受けたくない100の医療」をまとめました。
「本当にこの診断、治療、予防に意味があるのかな?」。米国の医師らがそんなモヤモヤを一刀両断。
海外の発想から大胆に日本の医療に切り込んでいきます。日本の医療に転機をもたらす意欲作です。
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【著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)】
室井/一辰
医療経済ジャーナリスト。石川県金沢市生まれ。東京大学農学部獣医学課程修了。大手出版社を皮切りに、医学専門メディアや経営メディアなどで全国の病院や診療所、営利組織や公的組織などに関する記事を執筆している。海外取材も豊富で米国、欧州、アジアなどの医療、バイオ技術に関する取材経験がある。現在は、ニュース情報サイト「Business Journal」で医療関連コラムを連載中
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【目次】
【第1部】こんな医療では治らない!
その医療は本当に必要か?
無駄が無駄を呼ぶ5つの背景
なぜ無駄な医療は止まらない?
人には言えない医療側の大人の事情
「治らない治療」を撲滅せよ!
米国で始まった無駄撲滅運動とは
【第2部】「受けたくない医療100」を一挙公開
「肺癌のCT検査は、ほとんど無意味である」(米国胸部医師学会、米国胸部学会)
「精神疾患ではない若年者には、『まず薬』で対処してはいけない」(米国精神医学会)
「大腸の内視鏡検査は10年に1度で十分である」(米国消化器病学会)
「6週間以内の腰痛には画像診断をしても無駄である」(米国家庭医学会)
「4歳以下の子供の風邪に薬を使ってはいけない」(米国小児科学会)
「リウマチの関節炎でMRI検査をするのは無駄である」(米国リウマチ学会)
・・・など
【第3部】“無駄な医療”を追放しよう
無駄撲滅運動は日本でも広がるか?
実現に立ちふさがる医師と患者のそれぞれの壁
専門学会が設定している基準値にNO!
医療費の急増を前に動き出した保険者
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