ディープラーニングの実効性が実際のプロジェクトによって証明され、様々な用途に適用されるようになっている。
本書は、そういったAI/機械学習について、毎年まとめられる『ITロードマップ』の執筆に参加する野村総研のアナリストが適用領域や簡単な背景を解説したものである。
AIの世界のスター研究者がGAF
...続きを読むAやBATに引き抜かれている状況や、GEのPredix、IBMのWatson、などの大手企業が提供するAIプラットフォームの事例、GPU、FPGA、TPUなどハードの進化、などある程度よく知られた内容についてよくわかるように説明されている。
著者らが指摘するように、研究界でもテック業界でも、この重要なAI技術に対する日本の遅れが目に付く。中国と米国が物量ともに先行していると言った方がよいのかもしれない。真の課題はユーザー企業の人材不足と指摘するが、頭が痛い。きちんと基礎知識と簡単なコーディングが理解できる理系人材を意識して育てないといけないし、そういった取り組みについて社会的要請として認知されるように待遇面含めてサポートするようでなければならないということなのかもしれない。シリコンバレー周辺の動きを見ていると、そんなことを言っている猶予はもうないのかもしれない。ただ、一度人材バブルは弾けるような気はするが。