作品一覧

  • ルバイヤート
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  • ルバイヤート
    3.9
    1巻627円 (税込)
    過去を思わず未来を怖れず、ただ「この一瞬を愉しめ」と哲学的刹那主義を強調し、生きることの嗟嘆や懐疑、苦悶、望み、憧れを、平明な言葉・流麗な文体で歌った四行詩の数々。十一世紀ペルシアの科学者オマル・ハイヤームのこれらの詩は、形式の簡潔な美しさと内容の豊かさからペルシア詩の最も美しい作品として広く愛読されている。

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ユーザーレビュー

  • ルバイヤート

    Posted by ブクログ

    この作品には背後世界を否定的に捉えて現世での生を重視し、しかし現世の生における成功も否定している点で、一種のニヒリズムが見て取れる。

    また、神が定めた運命を「降りかかる」と表現しているように、生をただ虚しいもの・一場の夢と捉える厭世主義的価値感を持ち、また「母から生れなかったものこそ幸福だ!」という様に反出生主義の色も強い。
    そうした遣る瀬無い無常感を満たすために、オマルは酒や酒姫に現世での刹那的喜びを見出した。その結果113番「明日のことなんか何を心配するのか?酒姫よ!さあ、早く酒盃を持て、今宵も過ぎていくよ!」のように、もはやそうした快楽で満ちているかの様に見える。
    しかしそれは彼にとっ

    0
    2021年12月11日
  • ルバイヤート

    Posted by ブクログ

    11-12世紀ペルシアの詩人らしいのだが、あまりに現代的で驚く。
    現世の快楽にこだわる詩。宗教への反発から生まれた言葉なのかなあ。すごく好きだ。
    訳者による解説も充実している。ペルシアの文化に触れたり、翻訳の意図がわかったりして、満足度が高い。

    0
    2021年10月31日
  • ルバイヤート

    Posted by ブクログ

    イスラームの詩というと、難しそうだったり考えもつかないことが書かれているイメージだったけど、これは違った。
    どの詩も身にしみるものばかりで、余計な感傷が一切ないのがかえって感情に訴えるのか、胸を打つものが多かった。その詩は無常観がありペシミスティックだけど、斜に構えたものではない。真理を追求し続けた学者が見るまぎれもない現実を写しており、酒、チューリップ、酒姫(少年)、歌が出てくるが享楽的な感じはしない。『明日なんてあると思うな、今このときを楽しもう、今日目を楽しませる若草が、明日きみの体から生えていないとは限るまい』明日も神も信じないからこその真実味、そこからくる美しさ、文化も年月も超えた良

    0
    2017年06月26日
  • ルバイヤート

    Posted by ブクログ

    大いなる人間あるある、かつ、世界あるある的テクストの洪水。

    しかしまあ、作者の視点の広範なこと!事物をどこからでも見つめる。
    地中深くに潜ったかと思いきや、空よりも高くなる。

    ぶれない4行詩。いつの間にか勇気付けられている。無常感もあり。無神論感もありはしないか?

    4行詩というスタイルはTwitterとなって現代に息づいています……てきとーなことを言いました。「酒を飲め」なるフレーズが連発で読むだけて酩酊しそうになりますな。

    「凄いです」という言葉はあまりに安易なので読後感をしたためる際には使わないことに決めています。

    凄いです。
    そしてありがとう青空文庫。

    0
    2013年03月12日
  • ルバイヤート

    Posted by ブクログ

    「諦念」ということばがぴったりの作品。
    (それだと仏教みたいだけど)

    但し、生の儚さを諦めた上で悲観的にならず、
    どこか突き抜けたような明るさに溢れている。

    だったら飲んで歌って踊ろうよ~♪という具合に。


    「人生オワタ\(^o^)/」っていう今時の言い回しを初めて見た時
    ルバイヤートのことを思い出した。

    0
    2012年03月24日

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