ジーン・ウィリスの作品一覧
「ジーン・ウィリス」の「世界一のクマのお話 クマのプー」「森に帰らなかったカラス」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
11歳の少年ミックは、公園の森の中で傷付いたニシコクマルガラスの雛を見つけ、連れ帰って世話をした。ジャックと名付けられた雛は回復し飛び方を覚え、森に返されることになったが……? 第二次世界大戦の傷跡がまだ大人たちの心の中に残るイギリスで、少年とニシコクマルガラスとの絆を描く物語であると同時に、ミックが戦争で命が失われるということを理解していく物語。
ジャックとミックの関係がとても素敵で、読んでいて羨ましかった。動物好きにはたまらない1冊。また、父と子の物語でもあり、年ごろの男の子が父親に対して厳しい目で見たり、疑ったり、紆余曲折の結果、以前よりも信頼するようになるところが戦争とからめて描かれていて、読んでいて考えさせられた。戦争が物語にからんでいても、暗くないのが良いと思う。
Posted by ブクログ
人々の心に戦争の傷あとが残る1950年代のイギリスで、11歳の少年ミックが、けがをしたニシコクマルガラスのひなを家で育てていく物語。ジャックと名づけたひなは、「森に帰らず」にミックになつき、地域の人たちにも愛される存在になる。
ニシコクマルガラスとの交流を通して、帰還兵である父を深く理解し、成長していく少年の姿を描く力強い作品だった。この少年は、後にロンドン動物園の主任飼育員になるミック・カーマンであり、この物語は彼の少年時代の実話に基づいている。
作者があとがきで「これは一羽のニシコクマルガラスが大空をはばたくだけの物語ではないと感じました」と書いているように、第二次世界大戦中に爆撃機で大空を飛んでいた父の姿とジャックの姿を重ねながら描いているところが印象的だった。
ミックがカラスと絆を深めていく様子だけでも味わい深いのに、その中心的な出来事を通して、家族への理解、親友ケンとの友情、地域の人々との交流、ミック自身の成長など、さまざまなテーマが浮かび上がってくる奥深い作品だった。
「父さんといっしょに家にはいろうと思ったけれど、やめた。裏門の上に腰かけ、紺色の空を見上げる。ジャックが無限の宇宙を飛びまわり、星をひとつひとつ、ついばんでは巣箱にしまうすがたを想像した。」P266
Posted by ブクログ
漢字 小学校高学年以上レベル
フリガナ なし(難しい字のみあり)
文字の大きさ 小
長さ 長い(304ページ)
出版年 2024年
内容 1957年のイギリス。けがをしたニシコクマルガラスのひなを拾った少年と、帰還兵の父をはじめ、大事なものを失った経験のある町の人々との交流を描く。2025年度読書感想文コンクール課題図書(小学校高学年)。
感想 主人公の感情の動きや言動・行動がとてもリアルで、今、目の前にあることにのみ一生懸命になってしまう子どものものの見方、考え方をよく反映している。話はカラスと少年の日々の交わりがメインで、戦争や命や死の話は表に出過ぎず、しかし背景として、主人公を取り巻く人々の物語として、確実に存在し続けている。そして、最後に主人公とそれらの人々との体験がふいに重なりあうところがとてもよい。翻訳も素晴らしいと思う。