黒木章人の作品一覧
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Posted by ブクログ
陸で生活する人々は生涯知ることがないであろう、海上の無謀っぷりを追ったルポルタージュ。内容は衝撃的でどんどん読み進めたくなるのだが、無駄に長い文章が若干読みにくい。特に著者の下記の発言には驚いた。『自分は頭が良い特別な存在』という姿勢が文章の端々から滲み出ているように感じる。
「天下の『ニューヨーク・タイムズ』のフルタイムの事件記者である私が社の人材とコネを総動員しても、シンガポールとフィリピンの病理学者を見つけることはできなかった。」
「虐待の話を聞き過ぎると、虐待に対して鈍感になってしまう。さらに悪いことに、虐待というのは画一的なものなので、何回聞かされても毎回同じ話を聞かされているような気分になる。」
アメリカ人でジョージタウン大学を卒業し、天下のニューヨーク・タイムズのフルタイム記者となった著者からすると、低賃金の仕事に飛びつき、過酷な船上で同性からの性的虐待に苦しむアジア人は画一的で哀れな存在に見えるのだろうか。
はたして下巻では、どのように自身のジャーナリズムを満たす旅を続けるのか…著者の人間性はさておき、取材内容は非常に気になる。