作品一覧

  • ツボちゃんの話―夫・坪内祐三―
    4.1
    1巻1,870円 (税込)
    「ぼくが死んだらさびしいよ?」が口癖だったあの頃……。けんかばかりしていたけれど憎めない。博覧強記の東京人。生涯一「雑誌小僧」。毎日が締め切りでも、いつもふらふら飲み歩く生粋の遊歩者(フラヌール)。「怒りっぽくて優しく、強情で気弱で、面倒だけど面白い」夫との多事多難な日々が鮮やかに蘇る。そう、みんなツボちゃんを忘れない。
  • 「文藝」戦後文学史
    -
    1巻2,420円 (税込)
    戦後派作家たちの後退とともに忘れられたかのように見えた〈戦後〉という主題は、しかし現代まで繋がっていた。雑誌「文藝」から浮かび上がるその激動なる軌跡を鮮やかに描き出す。 その時、〈文学〉の現場では、何が起きていたのか!? 1933年に改造社で創刊された「文藝」は、言論統制による改造社解散後の1944年、河出書房に引き継がれた。空襲で社屋が焼かれてもなお雑誌の刊行は続き、そして戦後へ――奔流にのまれながら数奇な運命を辿った出版社と、時代と格闘する作家・編集者たちの姿を峻烈に描く、「新たなる文学史」の誕生!

ユーザーレビュー

  • ツボちゃんの話―夫・坪内祐三―

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    頭のいい人が好きだ。
    地頭がいい人はもちろん、博覧強記の人にもあこがれる。
    頭のいい人にだけ見ることのできる、世界の違う断面を見せてもらうと幸せだ。

    で、ツボちゃんだ。
    名前のせいか文体のせいか、年配の人を想像していたのに、私よりやや年上だけれど、ほぼ同世代と言っていいくらいの年齢のかた。
    なのに、なぜこんなに日本の近代のあれやこれや、何ならサブカルチャーにいたるまで詳しいのか。

    なのにさ、たったの62歳で急逝しちゃったんだよ。
    2年くらい前から体調が悪かったって…若すぎるよ。

    そんなツボちゃんが北海道立文学館で『更科源蔵と豊かな交流圏』という副題の企画展をたまたま見て、更科源蔵を知らな

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    2023年11月25日
  • ツボちゃんの話―夫・坪内祐三―

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    恋愛小説というジャンルにはあまり興味がなく、ほとんどの狂おしいほどの恋情は、性欲を抜けば大したものは残らないと基本的には思っているのだが、たまにぎょっとするほどすごい恋愛ものだと感じる本があり、それはなぜか実体験を描いたものに多い。
    本当に深く一人の人間と長い間付き合うと、負の感情とも付き合うことになる。負の感情が時には圧倒することもあるが、別れないのはその感情以上にその人にしか抱けない、尊敬や愛着があるから。欠点も含めた相手の存在を愛おしく、哀しく思っている。
    これは妻が亡くなった夫のことを描いていて、小説ではないのだが、楽しいこと美しいことばかりではない本当の愛情を感じた。三木卓の『K』の

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    2022年01月01日
  • ツボちゃんの話―夫・坪内祐三―

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     「ストリートワイズ」や「シブい本」むろん「本の雑誌」のロングインビュー。そういう時代からのツボちゃんの読者である。「噂の真相」の記事も発売号で読んでいた。
     彼のおかげで、本当に自分の読書の世界が広がった。亡くなってから、極めて寂しい。当てにするとか、頼るとかいうのではなく、そんな本があったのかと元気づけられていたから。

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    2021年10月10日
  • ツボちゃんの話―夫・坪内祐三―

    Posted by ブクログ

    昔、雑誌のアンケートに「今年のノンフィクション本1番」に「靖国」が如何に面白かったか、を書いたら、雑誌に載ってビックリした。書く人居なかったのかなぁ~と思ったが、その後も「文庫本を狙え!」も好きだったし、惜しい人を亡くしたと思う。

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    2021年08月07日
  • ツボちゃんの話―夫・坪内祐三―

    Posted by ブクログ

    コロナ禍なんて言葉がまだ存在していなかった2020年1月13日、急性心不全で逝去された文芸評論家 坪内祐三さん。享年61。この訃報には心底驚いた。

    月に20本以上の締切を抱え、その大変さを『皿回しの皿をいくつも同時に回していくみたいな感じでやってる』と語る執筆に追われる毎日。ただ夕方にはきっかり仕事を終えた。仕事柄、神保町で古書を渉猟、夜は作家や編集者たちと新宿や銀座の文壇バーをナイトクルージングする日々。それだけに、まさか…。近年は体調はすぐれなかったことを本書で知る。

    逝去後、坪内さんの追悼本も多く編まれ、その内の一冊『最後の人声天語』を玩読。文藝春秋に掲載された随筆をピックアップし

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    2021年06月23日

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