渡辺守章の作品一覧
「渡辺守章」の「シラノ・ド・ベルジュラック」「アガタ/声」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
フーコーは、死の直前に「性の歴史」の第2巻と3巻を発表し、最終巻の「肉の告白」の完成を目前にしてそれを果たせずになくなってしまった。その原稿は、「開けてはならない」箱に保存されたのだが、フーコーの死後十分な時間がたったということか、今年、ついに発表された。
ということは、近いうちにその翻訳版がでるに違いないので、そこに向けて、1巻を再読し、長年読もうと思いつつ、読んでなかった「性の歴史」の2〜3巻を読むことにした。
さて、その第1巻「知への意思」は、1976年に発表されていたのだが、翻訳版は1986年とかなり遅れている。
当時、待望の翻訳みたいな感じで、わたしも読んだ。
そのときの印象は、「フーコーとしては、結構、わかりやすいね」というものと、「面白いけど、ここまで言っちゃうと、お先真っ暗で、なんか希望ないな〜」というものだった。
あらためて、読んでみて、30年くらいに前に、なぜ私が「わかりやすい」と思ったのか、全く不明で、かなり難しい。
とくに、「◯◯ということではない」みたいな文章が多くて、◯◯というところは、わたしがきっとそういうことだよね、と思ってしまうことが入っていて、ことごとく私の先読みを否定されていく感じ。
となかなかに手強い本で、理解からはとても遠いのだが、ここにまさに私が最近問題としていたことが、ぎゅっと圧縮されて、書いてあるという感じがした。
つまり、私はなにものであるか、という素朴な実在論的な問いがあって、それは社会の抑圧によって隠されている。が、真実を知れば、人は解放されて、自由になることができるという物語。
だが、そこに気づいて、そこから解放されるというのも、同じディスコースの内側のヴァリエーションに過ぎないわけで、そこに出口なしの悩みがある。
というわけで、第2巻と3巻にこのままのいきおいで、読み進めることにする。