惠坂の作品一覧
「惠坂」の「恋、ときどき香りの魔法 にわか令嬢は殿方禁制につき」「魔術師たちの就職戦線」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
「惠坂」の「恋、ときどき香りの魔法 にわか令嬢は殿方禁制につき」「魔術師たちの就職戦線」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
“ミリエルは棚に並ぶガラスの小瓶の中からラベンダーとローズマリーを手に取り、栓を抜いた。きゅぽんとガラスのこすれる音が響く。
小瓶を注意深く傾け、中身を香炉の受け皿に一滴ずつ垂らしていった。
ミリエルの持つ香炉は真鍮製である。縦に長く、先端はとがっていて、下に行くにつれて丸みをおびていく雫の形。先端部が開くようになっていて、その中には小さな受け皿があり、ずんぐりとした下の部分に蠟燭を置く。受け皿の部分に水を注ぎ、そこに《花の雫》をたらして火で温め、芳香を楽しむのだ。
蠟燭に火をつけると、《雫》はしばらく湯の上をたゆたい、次第に集まっていく。それを見届けて、蓋になっている先端部を閉めた。
しばら