作品一覧 2015/12/18更新 高校英語教育を整理する! 教育現場における22のギャップ 試し読み フォロー 高校英語授業を変える! 訳読オンリーから抜け出す3つのモデル 試し読み フォロー 1~2件目 / 2件<<<1・・・・・・・・・>>> 臼倉美里の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 高校英語教育を整理する! 教育現場における22のギャップ 金谷憲 / 隅田朗彦 / 大田悦子 / 臼倉美里 「コミュニケーション能力を育成するために」や「英語の授業は英語で」と言う時の「コミュニケーション能力」とは何を指すのか、誰が「英語で」授業中話すのか、といった議論の前提になる部分を整理したもの。教員同士、教員と保護者や校長といった対話の中から、なぜ議論が噛み合っていないのか、議論を建設的に発展させ...続きを読むるためにはっきりさせたい概念は何か、といったことが述べられている。 この本を読んでて一番印象的なのは「関係代名詞(後置修飾)」の部分。なぜならちょうどおれが今授業で関係代名詞を教えているから。しかも、この章で出てくる「C先生」とまったくもって同じことを言いながら教えている。「特に、A先生とC先生は、関係詞の使い方について認識がずれています」(p.36)と書いてありドキッとする。この文の意味は「正しい認識から逸脱している」という意味ではなく、単純に「2人が違う意識を持っている」という意味なんだろう、と思うことでおれ自身を安心させた。どの章でも、どっちが正しいか、どうすれば良いか、ということは、ほとんど教えてくれない。自分で考えるきっかけにしろ、ということだそうだ。 「議論のずれ」とは、「議論が噛み合わない」という意味で、例えば「ナチュラルスピード」や「CBI」、「音読の役割」などの章で、同じ言葉に対して2人(以上)の思っていることが違う結果、話が噛み合わないという事態になっている。(しかも「音読の役割」の章では、「音読」に対する認識がずれているというより「アウトプット」に対する認識のずれだと思う)ただ、例えば「基礎・基本」の章や「やさしい教科書はダメ?」、「『環境』問題」などの章では、別に話が噛み合ってないという訳ではなく、ある問題についてそれぞれ異なる意見を持っている、ということが確認されるだけであり、別に話が噛み合っていない訳ではないと思う。そういう意味で、この本の言う「ずれ」には2種類あると思うのだが、どうだろうか。「整理する!」という本の中身自体を整理したくなる衝動に駆られた。 ただ悪いことやムダなことは書かれていないし、読んでいてとても面白い。というか英語の教員としてはこれらの全ての問題について、正しい認識や、自分なりの考えというのを持っておくべきだと思う。 特に「状況的真正性」と「交流的真正性」というのは知らなかった。また、「自分の意見を言う」というのはどういうことなのか、表現系の授業では特に計画段階、年度当初で担当者で確認して決めないといけないと思う。 最後に、第5章、第6章ではまとめ的なことが書いてあるが、共感できる部分が多い。例えば、p.184には「さまざまな授業を見せていただく機会がありますが、何か問題点を指摘したり、改善を提案したりといった意見はあまり出ない」と書いてあり、おれが自分の授業を他人に見せても、「面白かったです」くらいのコメントがもらえればいい感じで、あまり建設的なコメントがもらえなかったりした時があって、どうなんだろうと思ったことがあった。同じページの「教師には、互いに不可侵という文化がある」というのも、ある程度はそうなんだろうなと思う。また、「『準備のための授業』」(p.198)や、「形式を整えるための真面目さ」が「落とし穴になっている」(同)というのも、特にうちの学校に極めて日常的に起こっている現象だなあと思った。最後に、「実力のある教師ほど努力していて、時間がない」(p.188)、「努力する教師は、(略)時間もコストも無視して人生を捧げてい」(同)る、とか書いてあり、これはたぶん良くない現状の例として挙がっていることなのだろうけど、おれも「時間を惜しんで努力する教師」でありたいし、その結果として「実力のある教師」になりたいと思った。(13/11/24) Posted by ブクログ 高校英語授業を変える! 訳読オンリーから抜け出す3つのモデル 金谷憲 / 高山芳樹 / 臼倉美里 / 大田悦子 高校の英語授業を、訳読だけで終始せず、どのようにして定着活動を盛り込んだものにするか、という観点から提案された3つのモデルを紹介するもの。決して訳読はダメだ、とか、オーラルイントロダクションをやろう、といった議論をする本ではない。文法訳読式を行っている先生が、いかに短時間で訳読という作業を終え、他...続きを読むの活動を行うための時間を作るか、というモデルが紹介されており、訳読による内容理解だけではなく、英語を使えるようにするために英語を定着させるための活動の重要性が述べられている。 3つのモデルはそれぞれ、「教師の後押しがないと英語学習が進まない生徒」、「教科書の半分程度の英文は自力で和訳できる生徒」、「大学入試が必ずしも英語学習のモチベーションになっていない生徒」といったように、どのような生徒を対象にしたものか、という点で異なった内容となっている。モデル3に関しては、他の2つとは違い、予習を前提としない、訳読を全く行わないという点でも異なっている。 どんな先生でもこの「モデル」を参考に授業が進められる、という発想がユニークではあると思うが、本書にも書かれている通り、実際に行うためには色々な味付けをしないといけないので、その味付け部分を削ぎ落した分、物足りないという印象はある。「パラチャート」というアイデアは面白いが、無理にチャート形式にしなくても、普通の和訳の穴埋めにしても同じなのでは、という感じもする。「2択式単語予習シート」も、なぜ2択式になっているのかその必然性が正直よく分からない。 ただ、とにかく全体に共通するコンセプト、つまり「訳読オンリーから抜け出す」という概念はとても重要で、その意識を持つか持たないかということが、まずは重要だと思う。そのためのアイデア集、ヒントとして本書があるわけで、使える部分は積極的に使っていきたいと思う。定期テストのやり方まで書かれていて参考になる。(12/04/14) Posted by ブクログ 高校英語授業を変える! 訳読オンリーから抜け出す3つのモデル 金谷憲 / 高山芳樹 / 臼倉美里 / 大田悦子 高校の英語授業で一番使われている「訳読式」から脱却するために、本書では3つの授業モデルの提案している。 実際に授業に取り入れる為にどのようなツール(配布プリントなど)を用意すればよいか、細かく書かれている。 それぞれ、訳読式よりから、完全に訳読から離れたモデルまであるが、実際に授業に取り入れる...続きを読む為には、教科書自体が変わらなければならないという問題も提議されている。 別資料として、「高校英語の授業マニュアル 高校英語教育法」やDVDも販売されている。 この本が生まれた経緯や理論が必要なければ、上記のマニュアルのみを購入しても良いと思う。 Posted by ブクログ 高校英語授業を変える! 訳読オンリーから抜け出す3つのモデル 金谷憲 / 高山芳樹 / 臼倉美里 / 大田悦子 紹介してある「型」をそっくりそのまま実践するのは難しくても、一部分を授業に取り入れることはできそう。 各章ごとに「型」が紹介してあるので、時間のない方は興味のある章だけ読めばいいと思う。本の構成がすっきりしていて読みやすかった。 Posted by ブクログ 臼倉美里のレビューをもっと見る