【感想・ネタバレ】高校英語授業を変える! 訳読オンリーから抜け出す3つのモデルのレビュー

あらすじ

「英語を使える日本人」を育てる役割を期待されながら、いまだに「文法訳読式」の授業が大半を占める高校英語の教育現場。それは、教師が個々で乗り越えるには高すぎるハードルが数多くあるためです。
本書は、高校の英語教師を具体的に手助けし、授業改善への努力をサポートするために立ち上げられたプロジェクト、Sherpa(Senior High English Reform Project ALC)のメンバーが、1年半にわたり検討し、マイクロティーチングやセミナーを通して現場の声を集め、ようやく作り上げた「実際に教室で使える授業モデル」3つを詳細に紹介しています。

英語Iの検定教科書を使って、規定の授業時間の中で、「内容理解活動」に加えて「定着活動」をどう取り入れていくか、授業1コマの時間の使い方から、課全体の流れ、使用するツールの作成方法まで、教師の負担を軽くする配慮をちりばめつつ、具体的な提案が行われています。
さらに、教科書自体の改善案や全国で行われている新しい取り組みなども取り上げているので、現役の教師はもちろん、これから教師を目指す学生にとっても有益で示唆に富む一冊となるでしょう。
本書は元東京学芸大学教授の金谷憲先生をリーダーとするSherpaチームの選書第1弾。Sherpaプロジェクトから生み出されつつある授業モデルと、その背景にある考え方を詳しく解説しています。

対象:英語教師向け

金谷 憲(かなたにけん):
東京学芸大学名誉教授。1948年東京生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程(英語学)、教育学研究科博士課程(学校教育学)およびスタンフォード大学博士課程を経て(単位取得退学)、1980年より32年間、東京学芸大学で教鞭を執る。現在、フリーの英語教育コンサルタントとして、学校、都道府県その他の機関に対してサポートを行っている。専門は英語教育学。研究テーマは、中学生の句把握の経年変化、高校英語授業モデル開発など。全国英語教育学会会長、中教審の外国語専門部会委員などを歴任。1986年より3年間NHK「テレビ英語会話I」講師、1994年から2年間NHKラジオ「基礎英語2」監修者。著書に『英語授業改善のための処方箋』(大修館書店刊)、『英語教育熱』(研究社刊)『高校英語授業を変える!』(編著/アルク刊)など多数。

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Posted by ブクログ

 高校の英語授業を、訳読だけで終始せず、どのようにして定着活動を盛り込んだものにするか、という観点から提案された3つのモデルを紹介するもの。決して訳読はダメだ、とか、オーラルイントロダクションをやろう、といった議論をする本ではない。文法訳読式を行っている先生が、いかに短時間で訳読という作業を終え、他の活動を行うための時間を作るか、というモデルが紹介されており、訳読による内容理解だけではなく、英語を使えるようにするために英語を定着させるための活動の重要性が述べられている。
 3つのモデルはそれぞれ、「教師の後押しがないと英語学習が進まない生徒」、「教科書の半分程度の英文は自力で和訳できる生徒」、「大学入試が必ずしも英語学習のモチベーションになっていない生徒」といったように、どのような生徒を対象にしたものか、という点で異なった内容となっている。モデル3に関しては、他の2つとは違い、予習を前提としない、訳読を全く行わないという点でも異なっている。
 どんな先生でもこの「モデル」を参考に授業が進められる、という発想がユニークではあると思うが、本書にも書かれている通り、実際に行うためには色々な味付けをしないといけないので、その味付け部分を削ぎ落した分、物足りないという印象はある。「パラチャート」というアイデアは面白いが、無理にチャート形式にしなくても、普通の和訳の穴埋めにしても同じなのでは、という感じもする。「2択式単語予習シート」も、なぜ2択式になっているのかその必然性が正直よく分からない。
 ただ、とにかく全体に共通するコンセプト、つまり「訳読オンリーから抜け出す」という概念はとても重要で、その意識を持つか持たないかということが、まずは重要だと思う。そのためのアイデア集、ヒントとして本書があるわけで、使える部分は積極的に使っていきたいと思う。定期テストのやり方まで書かれていて参考になる。(12/04/14)

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2012年11月25日

Posted by ブクログ

高校の英語授業で一番使われている「訳読式」から脱却するために、本書では3つの授業モデルの提案している。


実際に授業に取り入れる為にどのようなツール(配布プリントなど)を用意すればよいか、細かく書かれている。

それぞれ、訳読式よりから、完全に訳読から離れたモデルまであるが、実際に授業に取り入れる為には、教科書自体が変わらなければならないという問題も提議されている。

別資料として、「高校英語の授業マニュアル 高校英語教育法」やDVDも販売されている。

この本が生まれた経緯や理論が必要なければ、上記のマニュアルのみを購入しても良いと思う。

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2012年02月22日

Posted by ブクログ

紹介してある「型」をそっくりそのまま実践するのは難しくても、一部分を授業に取り入れることはできそう。
各章ごとに「型」が紹介してあるので、時間のない方は興味のある章だけ読めばいいと思う。本の構成がすっきりしていて読みやすかった。

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2013年03月22日

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