作品一覧

  • 生きものたちの秘められた性生活
    3.5
    「パンダは子作り下手」論に反論すべく、彼らのセックスの真実を求める無謀な試みに乗り出した著者。恐竜にペンギン、カエルにマガモにナメクジと全14例。時に恐ろしくも切なく愛情深い、それはまさに奇跡の世界。
  • 動物学者が死ぬほど向き合った「死」の話
    3.4
    1巻2,099円 (税込)
    シュレディンガーの本質的な問いかけ「生命とは何か」から始まっていることに心底しびれた。「死」をエントロピーから捉え直した画期的な論考。 ――― 福岡伸一氏(『生物を無生物のあいだ』著者)推薦! 死なないように進化しないのはなぜか? われわれが住む地球にはじつに多様な生態的地位があふれている。自己を増殖しようとする大きな原動力、自らの遺伝子を残すための生殖行為の発展、生き残る術と再生能力に長けた生き物であふれているのに、なぜ誰も、死を避けて長生きする方向には進化しないのか。著者は、人生における死が、わたしたちの想像を超えて色々な形で存在しており、死が進化に影響を与えている証を示していく。宇宙があなたに、死ぬ可能性を付与したというのだ。死は何か信じがたいかたちで自然界に溶け込み、自然界に力を与え、多様性に拍車をかけている。 人類は古代から、飢餓、かんばつ、震災、戦争などを経て、争いのなか生き残ってきたが、大人としてたった2時間しか生きることができない動物もいれば、決まった時間が来たら自ら命をたつ特性を持つものもいる。一方で、何百年もの間生きる動物もいるかと思えば、他者に取り付いて残酷な死に方をさせる寄生虫もいるし、長く健康な人生を送らせるために取り付く寄生虫もいる。死は、自然や進化に与えている影響を明確にしながら、限りある命と照らし合わせて考えなければ、到底その複雑な糸を解きほぐすことはできないだろう。 人類はおそらく、「死」が生物に等しく起こるという事実を認識している、地球史上最初の動物である。生命の不思議は「神」でしか説明できないかもしれない。しかし、生命の可能性や人生の意味を見つけ、自分で選ぶことができるのは、人間の特権である。われわれはその特権をうまく使うことができているだろうか。 本書を読む体験は読者にとって、生き物たちの終末と再生を見極めようとする、壮大かつ楽しい冒険の旅となるであろう。

ユーザーレビュー

  • 動物学者が死ぬほど向き合った「死」の話

    Posted by ブクログ

    小説的であって、すごく読みやすかった。
    死の向き合い方は、動物学だとこんなにもあっさりしていて、まぁポジティブでもネガティブでもないのだなと。

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    2022年02月13日
  • 動物学者が死ぬほど向き合った「死」の話

    Posted by ブクログ

    人間誰しも1度は考えたことのある「死」というテーマ。
    それは様々な謎を我々に与えてくれるものだが、どれも正解に至るのは難しい。
    その「死」というテーマに対し、化学的・物理的、そして生物学的に捉え、多くの専門家たちとの会話の中で研究を進めていくこの本の内容はとても興味深かった。結局結論は明確には出ないが深く考えさせられた。
    色々な動物が登場し、それぞれの特徴が事細かに記されており、動物好きには人生で必ず読んで欲しい1冊と感じた。

    0
    2020年03月10日
  • 動物学者が死ぬほど向き合った「死」の話

    Posted by ブクログ

    生物学的な死を考えるというコンセプトのもと、様々な生物の生と死について著者の取材内容をまとめた一冊。読みやすくわかりやすい。ただ、ネタがネタだけにギョッとするところも多少あるので好き嫌いは分かれるかもしれない。

    カラスは仲間の死を弔うのか、ロバはパートナーの死を悲しむのか、腐敗の進む豚の死骸の下で繰り広げられる虫たちの繁殖、500年以上生きた貝から考える長寿、スガの幼虫から紐解く虫と植物の生存競争、アカトビやホリッド・グラウンド・ウィーバーの保護活動から見る生物の絶滅などなど、知らない世界ばかりで面白い。

    「なぜ人は死ぬのか?」「死ぬってどういうことか?」といった死に関する疑問が解消するわ

    0
    2018年07月16日
  • 動物学者が死ぬほど向き合った「死」の話

    Posted by ブクログ

    生き物に対する考え方が変わった。ただ生物が死ぬことに対して可哀そうと今まで感じていたが、生命の循環の一部、生物の集団として進化していく過程を改めて実感した。人間は考える脳を持ち、自分たちを最良の生き物と考えているフシがあるが、結局ほかの生物の進化の恩恵を受け、今があることを忘れないようにしたい。

    0
    2022年09月07日
  • 動物学者が死ぬほど向き合った「死」の話

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    体裁はエッセイ風で、専門用語などもほとんど出てこず、とても読み易い。
    生き物たちの営みを”死”という観点から改めて俯瞰する枠組みは期待を抱かせるし、イギリスでもゴケグモモドキにまつわるフェイクニュースが伝播したんだ…という話や、腐肉を喰らうコンドルの腸内環境についての説明、最近のアンチエイジングに対するアプローチなどなど、生き物ネタから派生する豆知識を色々と知ることができ、素直に「ほー」と感嘆する。
    が、シヴィアな言い方をすると得たものはそれだけ、というか、小さなトピックスを四方山話として積み重ねることに終始し、冒頭で著者がぶち上げた”生き物はなぜ死を免れる方向に進化しなかったのか”という大命

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    2021年02月11日

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